21日の新日本プロレス大阪・ボディメーカーコロシアム大会で行われたIWGPインターコンチネンタル選手権は、挑戦者のバッドラック・ファレが中邑真輔を撃破し、第9代王者に輝いた。ファレは王座初挑戦で大金星を挙げての初タイトル。IWGPヘビー級王者・AJスタイルズを擁する極悪軍団「バレットクラブ(BC)」が新日2大王座を独占し、大阪決戦はまさかのバッドエンドとなった。

 まさにバッドラックな結末だった。春の「NEW JAPAN CUP」決勝で敗れた中邑への雪辱に燃えるファレは、序盤から193センチ、140キロの巨体を生かしたパワーファイトを展開した。

 15分手前には中邑のダイビング式、スライディング式ボマイェを浴び窮地に陥るが、正調ボマイェにカウンターのスピアーを合わせて再び攻勢に出る。パワーボムから迫力満点のダイビングボディープレスで中邑を押しつぶすと、最後はバッドラックフォールで3カウントを奪取。会場は一瞬、悲鳴に包まれた。

 ベルトを誇示するファレとともにリング上を占拠するBC勢とは対照的に、中邑は試合後も立ち上がることができず、担架で運ばれるという衝撃的な光景が繰り広げられた。

 自身初のタイトルマッチ挑戦で、相手はICの絶対王者・中邑。圧倒的不利の下馬評を驚異のサモアンパワーで覆し、大番狂わせを起こしてみせた。大学時代の2002年に来日し、卒業後はラグビー選手として活躍した。09年に新日プロに入門してから5年。極悪軍BCに加入後から頭角を現し、その高い潜在能力はついに開花した。願わくば悪の道に進む前にその瞬間が訪れてほしかったが…。

 ともあれ5月にAJがIWGPヘビー級王座を獲得したのに続き、ファレもIC王座を奪取。BCは「G1クライマックス」(7月21日、札幌で開幕)を前にヘビー級の2大王座の独占に成功した。「石原軍団」をモデルケースとする極悪軍は、鉄の結束のもと新日プロを悪一色に染め上げた。破竹の勢いは、当分止まりそうにない。