魔神殺法に方舟のすべてを託す。ノア7・5有明コロシアム大会で新日本プロレス・永田裕志(46)のGHCヘビー級王座に挑戦する丸藤正道(34)が5日、悲壮な決意を激白。ノアの最後のとりでとなった天才児は「15年のすべてをかける」と8年間も封印していた超絶技の解禁まで予告し、ベルト奪還を誓った。

 尋常ではない危機感が天才児の全身を包み込んでいる。「お客さんがGHC王者・永田裕志を楽しみ始めている。いろんな意味で後がない。生半可な気持ちじゃ勝てない」

 今回が5度目の防衛戦となる永田にはこれまで森嶋猛、KENTA(退団)、杉浦貴、マイバッハ谷口、モハメド・ヨネが敗北。最後のとりでとなる丸藤も屈してしまえば、ノアは完全に永田の軍門に下ってしまう。すなわちそれは、方舟の転覆を意味する。

 丸藤は「(レスラー人生)15年のすべてをかける。俺のすべてを」と不退転の決意を明かす。歴代の天才児殺法を出し尽くすというが、その中で奥の手として用意しているのが、新日プロのS・S・マシンの魔神風車固めを改良した「魔神風車式DDT」だ。

 これは宿敵・KENTA戦専用の狙撃技で、2006年1・22日本武道館のKENTA戦で披露して以来、使っていない。「危険な角度で落ちてしまう。でも、KENTA戦では今までの自分じゃ勝てないと思って出した」という切り札である。「その後は相手に追い詰められても、そこまで勝ちに対する貪欲さがなくて出さなかったのかな」。負ければすべてを失う今こそ封印を解く時で、今回の丸藤はそこまで勝負にこだわっている。

 この日の仙台大会では齋藤彰俊、小川良成に変幻自在の飛び技、投げ技を披露。覚悟を決めた丸藤に迷いはない。