31日のノア東京・ディファ有明大会で行われたGHCタッグ選手権は田中将斗、杉浦貴の“弾丸ヤンキース”が、王者のマイバッハ谷口、森嶋猛組を撃破して第31代王者となった。ヤンキースはゼロワン5・6後楽園大会でNWAインターコンチネンタルタッグ王座も奪取しており、タッグ2冠王に。混迷するノアの軍団抗争から大きく抜け出た格好だ。

 圧巻のフィニッシュだった。杉浦が飛龍原爆で谷口を投げ捨てると「ここへ決めろ!」とばかりマットに座り込んだ鉄仮面の首を固定する。そこへ田中がこん身のスライディングD。間髪入れずにハレンチ王が必殺の五輪予選スラムで谷口を沈めた。2月の「グローバル・タッグリーグ戦」でも圧倒的強さを見せた弾丸ヤンキースが、ついに念願のGHC王座を手中にした。


 愚直なばかりの正攻法だった。15分経過のアナウンスまでは、超危暴軍の大原はじめ、拳王を投入した森嶋組の王者らしからぬ無謀ファイトに耐え続けた。あえてセコンドを就けず真っ向勝負に徹したヤンキースは、ジッと反撃の時をうかがう。チャンスを作ったのは弾丸児・田中だ。雪崩式の合体ノド輪を受けながらも、森嶋の巨体を垂直落下式ブレーンバスターで投げ捨てる。


 さらには場外への机上ブレーンバスターを狙った谷口を、逆に田中が机に乗せて最上段からスーパーフライを叩き込む。一瞬のECW殺法で完全にペースを握ったヤンキースは、スーパーフライの競演(仮称・スーパーハレンチ)で谷口を半失神にさせる。そして文句なしのフィナーレへ。GHCタッグ王座史上、久々に鋼(はがね)のようなゴツゴツしたチャンピオンチームが誕生した。


「実はきょうは僕の誕生日でした。24歳(注・実は44歳)になりました~」と試合直後には一転して、いつものハレンチ王に戻り、二流のアイドルのようにサラッと年齢詐称した杉浦に場内から温かいブーイング。ここ最近は妻や子供から家庭内でかなり冷遇されているらしくは、、最高の誕生日となった模様だ。


 王者組にはいきなり昨年の東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞最優秀タッグ賞に輝いたTMDK(マイキー・ニコルス、シェイン・ヘイスト)との初防衛が急浮上したが、今のヤンキースの勢いは誰にも止められそうにない。