新日本プロレス25日の横浜アリーナ大会で、IWGPヘビー級王者・AJスタイルズ(36)がオカダ・カズチカ(26)の挑戦を退けて2度目の防衛に成功した。史上6人目の外国人王者・AJを中心に新日マットで猛威を振るう極悪軍団「バレットクラブ」には、驚がくのプランが進行中。何と東京ヤクルトスワローズの主砲・バレンティン(29)らの獲得を狙っているという。

 前王者・オカダを迎え撃ったAJは、エプロンから場外へのブレーンバスターなど、卓越したプロレスセンスを随所に披露。ピンチに陥ってもセコンドの介入で切り抜け、主導権を渡さない。

 度重なる悪事でセコンドが退場させられたものの、その後もAJはオカダのレインメーカーを、レフェリーを盾にして回避するなど狡猾な戦法を駆使。オーバーヘッドキック、ブラディサンデーで再逆転すると、最後はスタイルズクラッシュ(変型顔面砕き)でオカダを沈めてみせた。

 試合後のリング上には再びBC勢を呼び入れて大騒ぎ。AJは「俺こそが最強だ。俺と戦いたいヤツがいれば、誰の挑戦でも受ける」と豪語したが、次期挑戦者候補は現段階で見当たらない。わずか1か月でIWGP戦線の独走態勢を築いてしまったから、AJ恐るべしだ。

 その快進撃に便乗してAJ属するBCもバックステージでマスコミに暴行を加えるなど傍若無人ぶりが目に余る。さらに拍車をかけるようにリーダーを自任するカール・アンダーソンは、軍団勢力を何とプロ野球界にまで広げようとしている。

 実は大学まで有望な野球選手だったアンダーソンは、今季からヤクルトに加入した新外国人のクリス・ナーブソン投手と高校時代からの親友。4月22日の先発登板日(対広島戦)には神宮球場まで足を運び、試合後には一緒に六本木に繰り出した仲だ。「BCは『メニー・ガイジン・グンダン』。ベースボールプレーヤーも入れたいね。ナーブソンも、バレンティンもウエルカム。いつでもリングにカモンだ」と仰天プランを掲げた。

 ちなみに前日の調印式で大ファンという阪神タイガースのキャップを着用していたAJも、中学校まで捕手として野球に打ち込んでいた。BCの“野球界進出”に「そいつはグッドアイデアだ」と目を輝かせた。

 史上6人目の外国人王者・AJを中心に新日マットを席巻するBC。図に乗る極悪外国人軍団の勢いは、当分止まりそうにない。