オッサンはNO――。全日本プロレスの5月シリーズが16日、東京・後楽園ホールで開幕した。世界タッグ王座V3に成功した王者の諏訪魔(37)は、策士・秋山準(44)に促された世代闘争をあえて拒絶。意地でも王道マットの主導権を譲らないつもりだ。

 世界タッグ王者の諏訪魔はこの日、ジョー・ドーリング(32)とともに超肉体派コンビのゼウス(32)、The Bodyguard(45)の挑戦を受けた。

 パワー自慢の両軍は壮絶な肉弾戦に発展。それでもくぐり抜けた修羅場の数が違う。ドロップキックの同時発射などの合体攻撃で蹴散らし、諏訪魔はゼウスを岩石落としで排除。Bodyguardのスピアーを難なく受け止めたドーリングが、そのまま必殺のレボリューションボムで完全粉砕した。

 試合後には、勢力を拡大するダーク・キングダム総帥のKENSOと真霜拳號から次期挑戦をアピールされた。諏訪魔も受諾し、5・29後楽園大会でのV4戦が緊急決定した。

 その一方で、老かいなベテラン勢の挑発には乗らなかった。秋山に世代闘争を提唱されたが、諏訪魔は肩透かしを食らわせた。「昔の俺だったら、売られた喧嘩を買ってたろうけど、その手には乗らない。誰が全日本プロレスのキーを握って動かしていくかということだよ。タイミングを見てる」。“交戦拒否”の姿勢を打ち出した。

 もちろん、世代闘争は避けて通れない。チャンピオン・カーニバル優勝戦の舞台を秋山と同期の大森隆男に“占拠”されている。諏訪魔も「時計の針を戻された。その汚点は消す」としたが、秋山の提案にすんなり呼応すれば、相手の術中にハマりかねない。最初からペースをつかむため、本格的な開戦のゴングは自ら打ち鳴らすつもりなのだ。

「俺は世界タッグを盛り上げる。オッサン世代とやる必要なし!!」。諏訪魔は独自路線をとことん貫く。