“野獣”藤田和之(50)が2021年最初の大放言だ。昨年12月に無冠となったが、今年は4日のノア後楽園大会で井上雅央(50)を6秒殺し、好スタートを切ることに成功。大暴れを予感させる野獣を直撃すると、ベルト取りを最初の目標に設定した。さらに因縁浅からぬ4人による“戦い”の行方にも注目発言だ。

 寒風吹きすさぶ外房の海岸に藤田の姿があった。荒波を眺めながら取材に応じ、今年の目標を問うと「そんなのフリーの俺には意味のない質問だ。やりたいことを言ったってそうなるわけじゃないから。風の吹くまま、気の向くままだよ。強いて言うなら? どこでもいいから、またベルトを狙うか」と口にした。

 2019年9月に巻いたレジェンド王座を自身最長となる1年3か月保持したが、昨年12月17日のストロングスタイルプロレス後楽園大会でスーパー・タイガーに敗れて王座から陥落。それでも年越しと同時に気持ちを切り替え、新たなベルト取りを目標にした。これからどの王座を標的にするか検討するという。

 もちろんいつでもいける準備は整っている。近況を「家からほとんど出ていない。毎日トレーニングですよ。子供たちがレスリングをやっているので、一緒に自宅のジムで体を動かしている」と明かし、緊急事態宣言下でも好調をキープしている。

 そんな野獣が注目するのが2月12日のノア日本武道館大会で行われる王者・潮﨑豪(39)対武藤敬司(58)のGHCヘビー級王座戦だ。昨年3月の同王座戦で31分のにらみ合いを含む57分47秒の激闘を展開した潮﨑と、同じ新日本プロレス出身の武藤の激突を「時計が進むのか、戻るのか。そのひと言に尽きる。有利なのは武藤さんじゃないかな。こういう舞台は経験がものをいうから。ただ、エールを送りたいのは潮﨑。時計の針を戻さないためにも勝ってほしい」。自らを下した王者の背中を押した。

 一方、別の意味で注目するのが全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・諏訪魔(44)と“元暴走王”小川直也氏(52)だ。因縁が生まれた2人は本紙を通じて舌戦を繰り広げ、ついに諏訪魔が神奈川・茅ヶ崎の小川道場殴り込みを示唆した。

 藤田は「いいんじゃない。久しぶりに小川が見たいし。なによりカマボコ(諏訪魔)と小川が並んだら面白いじゃん」と力説。両雄と抗争を繰り広げた経験から、2人の対戦を「歴史に残る面白い試合になること間違いなし。彼らにしか残せない伝説ができる。絶対に実現させてほしい」と過剰に熱望した。

 どうやら野獣は2021年も好調なご様子。大暴れに期待したい。