全日本プロレスのチャンピオン・カーニバル覇者・大森隆男(44)が、3冠ヘビー級王座奪取へ本腰を入れた。現王者で元横綱曙(45)を撃破しての王座奪取に照準を定めてきたが、大森は王座返上による新王者決定戦もやむなしと判断。手段を選ばずに、悲願の初戴冠へバク進する。

 11度目の出場で、ようやく春の祭典の栄冠を勝ち取った大森。この勢いで3冠挑戦といきたいところだったが、肝心の王者・曙が体調不良のため療養中。挑戦のメドが立たないままだ。

 大森は「早く戻ってきてほしい」と完全復活を熱望しつつも「どういう形になるのか…。横綱の体調次第ということもある。返上するのであれば、決定戦でもいいと思う。そこは会社の判断に任せる」と打ち明けた。

 祭典制覇もさることながら、打倒・曙は大森にとって最大のテーマでもあった。今年1月に挑んだ3冠戦では玉砕。そのリベンジも兼ね、4・23後楽園ホールでのカーニバル公式戦で激突する予定だったが、曙の途中リタイアによって消滅している。

 大森の思いは募る一方でも、責任感の強い曙が自ら王座を返上する可能性もある。

 その場合、決勝戦を争った秋山準や同戦進出者決定戦で散った諏訪魔らとの新王座決定戦も浮上するが、大森は3冠奪取のためなら道は選ばない、と覚悟を決めたのだ。

 最優先はあくまで3冠初戴冠。世界タッグ挑戦も視野に入れたことで、同王者の諏訪魔に「『3冠戦がいつになるか分からないから世界タッグに挑戦したい』と聞こえた」と“二股疑惑”をかけられ、挑戦を却下された。

「いつでも狙いにいけるコンディションをつくる。名乗りを上げる権利はあると思うし、パートナーの秋山選手あってのこと。正式に挑戦表明する時はちゃんとする。泡食うんじゃねえよ」。3冠奪取、そして世界タッグ挑戦。諏訪魔の拒否反応を勇み足と断罪した大森は、我が道を突き進む。