新日本プロレスに参戦中の柴田勝頼(34)が30日、タッグパートナーの後藤洋央紀(34)への不信感をぶちまけた。IWGPタッグ王座再挑戦を急ぐ後藤に反し、柴田は棚橋弘至(37)との決着戦を最優先するという。三重・桑名工業高校レスリング部同級生タッグにまさかの亀裂が生じた。

 柴田と後藤は3日の福岡決戦で永田裕志、中西学組と対戦する。4月の両国大会でカール・アンダーソン、ドク・ギャローズ組のIWGPタッグ王座の挑戦に失敗して以降は、再び連勝街道をバク進しており、後藤は早い時期での再挑戦に意欲を見せている。

 ところが最近の2人は、肝心の試合で足並みが揃わない。連係や合体技がすっかり影を潜めてしまっているのだ。一体何があったというのか?

柴田は「台湾での行動だったり、意識的なもので不信感がある」と悩める胸中を明かした。

 後藤は13日の台湾大会で謎のマスクマン、キャプテン・台湾と組みIWGPタッグ王座に挑戦するも失敗。これは柴田不在の遠征中の緊急挑戦が決まったためで、後藤も「やっぱり(相棒は)柴田じゃなきゃという気持ちになりました」と再認識する結果となった。

 だが根本的な問題として、万が一キャプテンとベルトを取っていた場合どうするつもりだったのかという疑問が残るのも事実。柴田は「自分があるのか。いくら認め合うパートナーでも、ゆるい信念なら組まなくても別にいいという気持ちはある」とまで言い切った。

 さらにベルトにこだわる後藤と違い、柴田はかねて舌戦を繰り広げてきた棚橋に対するライバル意識の方が上回りつつある。後藤とのコンビに苦言を呈されてきた棚橋との攻防は、4月24日大阪大会でヒートアップ。「仲良しこよしじゃないことを分からせないと。棚橋との決着はどうあれつけたい」と豪語した。

 信頼関係のもつれから方向性の違いも露見してしまった桑名工タッグ。鉄壁のコンビにかつてない不穏な空気が漂ってきた。