【ルイジアナ州ニューオーリンズ6日(日本時間7日)発】世界最大規模となるプロレスの祭典「レッスルマニア30」が現地のメルセデスベンツ・スーパードームで開催され、大会ホストを務めたハルク・ホーガンを始め、ストーンコールド・スティーブ・オースチン、ザ・ロックら歴代のスーパースターが集結。7万5167人の大観衆が見守る中“イエスムーブメント”を巻き起こすダニエル・ブライアンが奇跡の連破を達成しWWE世界王座を獲得。現代のアメリカンドリームを実現した。

 トリプルHとステファニー・マクマホンの最高権力者夫妻と反目するブライアンは毎日がリストラ危機。ついに祭典の大舞台でトリプルHと最終決着戦を迎えた。

 リングサイドでステファニーが見守る中、トリプルHは余裕たっぷりで小兵のブライアンをいたぶり続け、必殺ペディグリーを発射。だが執念でハネのけたブライアンはスープレックスをひらりと着地してかわすとランニング式のヒザ蹴りを叩き込み3カウント奪取。メーンの3選手によるWWE世界王座戦への出場権を獲得した。

 値千金の勝利も、ステファニーに頬を張られ、メンツを潰され怒り狂うトリプルHにイスで負傷中の左肩を強打されたブライアンは、傷だらけで王者のランディ・オートン、第1挑戦者のバティスタが待つ「反則OK」のリングに向かった。

 もはや左腕を上げることも不可能なブライアンは得意の「イエスコール」も片腕のみ。3選手がリング内外で入り乱れる中、もはや心身ともにボロボロとなったブライアンは最後の力を振り絞り死中に活で戦局を読む。

 そしてバティスタがオートンにバティスタボムを決めた瞬間を狙って、ブライアンはバティスタを蹴り倒すと、そのままイエスロックで捕獲。不意を突かれたバティスタがギブアップし、ついにブライアンが最高権力者夫妻、そして王者のオートン、レジェンドのバティスタを下してWWEの頂点に立った。

 2本のチャンピオンベルトを掲げたブライアンは左肩の痛みも忘れ「イエス! イエス! イエス!」と絶叫。アメリカンドリームを目撃した観衆も場内爆発のイエスコールで現代の奇跡を祝福した。