全日本プロレスの秋山準(44)が、春の祭典「チャンピオン・カーニバル」(13日、東京・渋谷で開幕)連覇へ向け、旧3冠王座の“復活”をブチ上げた。優勝→3冠王座奪還の青写真を描く策士は、昨年8月を最後に封印された3本のベルトを再び表舞台に引っ張り出す構えだ。

「ハッキリ言って去年以上にプレッシャーがかかっている。所属選手として責任感もある。それでも『よし、やってやろうじゃないか』って気持ちは出てきましたね」。昨年は通算10回目の出場で悲願の初優勝。だが「魔物がすむ」とされる祭典で連覇を果たした選手は故ジャイアント馬場さん、スタン・ハンセン、鈴木みのるの3人のみ。氷の心を持つ秋山ですら緊張感に包まれるのも当然だろう。

 野望もある。優勝から2度目の3冠王座奪取を果たせば、何と昨年8・25大田区総合体育館大会を最後に馬場家に返還された3本のベルト(インター、UN、PWF)を復活させ、現行の新ベルトと合わせ4本のベルトを携えてリングに上がるという。

「俺にとって3冠とは3本のベルト。今のベルトと合わせて4本持って入場しますよ。歴史の重みっていうのも必要。恵比寿の馬場さんの家まで行って(夫人の)元子さんに頭下げてもう一度、貸してもらう。それができるのは俺しかいないでしょ」と秋山は不敵に笑った。

 3冠王座は、新生全日本初のビッグマッチとなった昨年10・27両国国技館大会から一本化され、当時の王者・諏訪魔が新ベルトをお披露目。度重なるお家騒動に区切りをつけるのが目的で、新生全日本の象徴となった。しかし秋山は「偉大な先輩たちへの敬意も絶対必要」と主張。自らが王者となれば現状に爆弾を落とす構えだ。

 もちろんベルトの一本化に尽力した諏訪魔、現王者・曙らの反発は必至だろう。しかしそれも想定内で「潮﨑(豪)とジョー(ドーリング)との公式戦がヤマ場になる。対抗(A)ブロックは欠場しているけどやっぱり横綱。そして諏訪魔」とV戦線を占った。

「年も年だしあらゆる手を使って勝ちにいくしかない。そのうえで優勝戦(27日、大阪)ではベストの試合をする」と言い切った秋山。春の祭典は今年も嵐の予感が漂ってきた。