現役女子高校生レスラー・夕陽(18)が女子高生最後の日となる31日、東京・新木場1stRINGで引退興行を行った。

 天性の運動能力と野良犬道場で鍛え抜かれたバネで期待された夕陽だったが「将来やりたいことが見つかった」と、海外留学を見据えて引退を決意。女子高生レスラーのままで引退を決断した。

 この日の興行は完全に夕陽一色。会場は男性ファンを中心に立すいの余地もないほど埋め尽くされ、野太い夕陽コールが飛び交う中、まずは第1試合で覆面の化身・SUNSET☆JKとしてマスクド・ひろよん(松本浩代)とタッグを結成。WAVEの大畠美咲、飯田美花組と対戦し、丸め込み技「ハニートラップ」で飯田をフォールした。

 覆面を脱ぐと夕陽として、同じく6月に引退のハイスピード女王・夏樹☆たいようと一騎打ち。スピード&ハードヒットな攻防の末、夏樹オリジナルの「太陽ちゃん☆ボム」で叩きつけられ大の字で3カウントを聞いた。

 だがセコンドの松本、世Ⅳ虎に挑発されると、ボーナストラックとして夏樹とタッグを結成し、松本&世Ⅳ虎組と最後のタッグ対決開始。“プロレス界のお姉さん”と慕う松本の必殺技「ひろよストーン」でトドメを刺され、約2年間にわたるプロレス生活にピリオドを打った。

 試合後のセレモニーにはキックの師匠・小林聡氏、プロレスの師匠・日高郁人をはじめ、ゼロワン勢、スターダム勢、WAVE勢、デビュー戦の相手・愛川ゆず季らが駆け付け、全員に見守られつつ、涙で10カウントゴングを聞いた。

 4月1日からはプロレスラーでも女子高生でもない一人の未成年女子。「世界一すてきな青春時代だった。来世でもプロレスをしたい」と笑顔でリングに別れを告げた。