IGF4・5両国国技館大会で「OF砲」を初結成する暴走王・小川直也(45)と野獣・藤田和之(43)が、師匠アントニオ猪木(71)の元を訪れた。故橋本真也さんとの「OH砲」以来の手応えをアピールする小川と対照的に、藤田は消極的な態度に終始。猪木の仲介もむなしく、2人のコンビは発進前から空中分解の危機に陥った。

 両国大会で元K―1戦士のピーター・アーツ、レイ・セフォー組と対戦する2人は、猪木の元を訪問。師弟スリーショットが実現した。

 初タッグを結成する小川と藤田に、猪木は「よくタッグを組むなと。(ファイトマネーが)8億円くらいいったんじゃないか? まあ意表を突くというか、一つの夢を送り続けるというかね。ムッフフ」と、ブラックな政治ネタを交えつつエール。さらに今夏の北朝鮮大会開催の野望について目を輝かせるなど、世界戦略の重要性を説いた。

 どことなく両国の話題をすっ飛ばしてしまった感のある猪木以上に、OF砲の足並みも揃わない。小川は「刺激、いい起爆剤だと思ってやれるんじゃないかな。不安はない。『OH砲』以来のいいパートナー」と、MMA部門設立など様変わりしていくIGFマットにおいて藤田との共闘による化学反応を期待。OH砲は他団体にも積極参戦したことから「まあ今なら、文句があるならIGFのリングに来いとなるんじゃないの?」と、全方位を敵に回す姿勢も見せた。

 ところが、藤田はOF砲の今後など一切頭にない。それどころか「年末(石井慧戦)のリマッチ。その交換条件で(オファーを)受けただけだから。それが俺なりのケジメ」と、タッグ結成にはあまりに消極的すぎる内情を吐露。「向こう(石井)がOKなら向こうの条件はいくらでものむ」と早期再戦を見据えつつ「MMAとプロレス、両方やる俺としては、嫌なことものまないといけないってこと」と、両国決戦に対しあからさまに乗り気ではない様子だ。

 いずれにせよ、吹き荒れる隙間風が当日までにやむ可能性はほぼ皆無。暴走、分裂の要素が十分すぎるほど揃うOF砲に春は来るのか――。