初代タイガーマスク(63=佐山聡)が主宰する「ストロングスタイルプロレスVol.8」(17日、東京・後楽園ホール)で、スーパー・タイガーの挑戦を受けるレジェンド王者の〝野獣〟藤田和之(50)が、千葉・外房の海岸で怪気炎を上げた。タイトル戦の調印を求める平井雅丈代表を自転車で〝撃退〟。返す刀でスーパー・タイガーの改造までぶち上げた。

 冬サーファーひしめく外房の砂浜に恐ろしいほど不似合いなスーツ姿でたたずむのはストロングスタイルプロレスの平井代表だった。タイトル戦の調印式は4日に行われたが、遠方に住む藤田は新型コロナウイルスの再度の感染拡大を考慮し欠席。そこで調印書を持って藤田邸近くを訪れていた。

 太平洋を見つめ「藤田さんまだかなあ。1時間待ってるけどまだ来ないなあ」と一人ごちる平井代表。やがてその後ろには、自転車をこぐ野獣の姿があらわれた。まるでブレーキがついていないのかのようにはね飛ばすと藤田は「危ねえなあ。何やってるんだよ」。平井代表から調印書へのサインを求められるもあっさり拒否した。

 さらに「そんなのいいから、リアルジャパンを黒く黒く染めて、スーパー・タイガーをスーパー・ブラック・タイガーに改造しましょう。そのために今日はこれをかけて」と強引にサングラスをかけさせる始末。かけられた平井代表はなぜか「あー!」と錯乱し「ガッデム! アイ・アム・平井!」と叫び、陸に上がったサーファーから好奇の視線を浴びた。

 とんだ寸劇だ。そういえば先日もどこかで同じような風景を見させられた気がする。それはそれとして自転車で走り去ろうとした藤田を追跡し事情を聞くと「サイン? 安易にサインすると痛い目に遭うから気をつけろってある人に言われているから書かなかった。でも会場には行く予定です」と語気を強めた。

 せっかくなので近況を問うと年末に向けてクリスマスの飾りつけと自宅の大掃除、草刈りに精を出しているとのこと。また千葉県内の格闘技ジムで柔術やレスリングを学んでいる子供たちがコロナ禍の影響を受けているといい「試合に出られず目標を失って、ジムにも行けていないのでモチベーションが上がらないみたい。でも、最終的には自分一人で練習できる奴が強くなるから。そういうことも含めて家でいろいろ教えてますよ」と明かした。

 子供たちのためにも強い父であり続けることが求められる野獣は「とにかく、これからタイトルを取りまくろうと思ってますよ。俺はベルトコレクターになる」と宣言。Sタイガーを黒く染め、王者として年を越せるか。注目だ。