【世界のレジェンド ライガーが語る獣神激論(7)】獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス論を語る「獣神激論」。今回のテーマは史上初めて同時開催されている新日本プロレス「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」と「ワールドタッグリーグ(WTL)」だ。12月11日に東京・日本武道館で優勝決定戦を迎える両リーグ戦で、世界の獣神が注目する選手は――。

 今回まずお礼申し上げたいのは、新型コロナウイルスの影響で一度は中止になったBOSJが、ファンの皆様の声もあって開催されることになったこと。途切れることなく開催してもらって、会社にも感謝してます。

 ただ一つだけ言わせてもらえるとしたら、今回はヘビー級のタッグリーグと日替わり開催じゃないですか。地域によっては「BOSJ見たかったな」って思うかもしれないし、その逆もあると思うんです。そこがファンの皆さんの寂しいところなのかなって。それぞれの面白みってあるし、試合数を調整した上で、1大会でジュニアとヘビーの両方を見られたほうがより面白かったのかなとは思いますね。

 日本武道館の優勝決定戦はどうなんだろう。ダブルメインイベントになるのかな? そうなった場合、ジュニアの方が面白かった、ヘビーの方が面白かったって、お互いが言わせたいでしょうしね。当然対抗意識があるだろうし、相乗効果は見込めるよね。

 BOSJで注目してるのはやはり(高橋)ヒロム選手ですね。「新しいジュニアをつくります」と、あれだけのことを言ったわけだからね。今シリーズは彼の試合がメインで組まれている数がすごく多い。会社の期待の表れでもあるし、その期待を上回る活躍を見せればヒロム選手の勝ち。彼のこれからを占うシリーズになるんじゃないかな。(1月5日東京ドームの)僕の最後の相手もヒロム選手だし、日本武道館まで上がれよって思います。

 ただレスラーはみんな「俺が一番」って思ってるから。ここまで一人の選手にスポットライトが当たるリーグ戦ってなかなかない。トップどころがそろってる中で「なんであいつばっかなんだ」って、そりゃ他の選手はみんな思うって。特に石森(太二)選手なんかは「なんでチャンピオンの俺がメインじゃないの?」って当然思うでしょ。俺だったらすぐ言っちゃうよ。「ふざけんなよ。今すぐ試合順変えろ」って(笑い)。今のジュニアはそういういろいろな思惑が交錯してるよね。

 WTLで注目しているのはタマ(トンガ)とタンガ・ロアのチームだね。彼らのすごいのは下半身よ。パンパンに張ってるもん。かなり日本に来られない時間があったじゃないですか。そこで相当のことをやってた証拠だよね。

 他にもタッグでは外国人選手がかなり戻ってきているし、彼らがどう活躍するのか。アピールもしたいだろうし、生き残ってやろうってすごいあると思う。肌の色つやとか張りを見てても、その思いは見えてくるね。

 リーグ戦が終われば1月4、5日の東京ドームがすぐ迫ってくる。コロナでいろいろありましたけど、来年もドーム2連戦を堂々やりますって、これが新日本プロレスですよ。チャレンジを見せる団体なんだから。ドームまで目が離せないし、終わったら終わったでまた離せないんだよな(笑い)。皆さんにも365日、新日本プロレスをずっと見ていてほしいね。