ミスタープロレスこと天龍源一郎(70)の引退5周年記念大会(15日、後楽園ホール)が行われ、オープニングマッチでは〝不死身の78歳〟ことグレート小鹿大日本プロレス会長と〝悲しき中年〟井上雅央(50)が、合計128歳の〝老練コンビ〟を結成。リッキー・フジ(55)、翔太(32)組を撃破した。

「軍艦マーチ」に乗って勇壮に登場した小鹿は堂々先頭を買って出てフジと激突。リング上を軽快に走り回ると、アームホイップからの腕固めを決める。さらには孫ほど若い翔太の髪を引っ張って投げ捨て、和田京平レフェリーの死角を突いてチョークを決めるなど、やりたい放題。往年の極道殺法を全開した。とても2年後に傘寿(80歳)のお祝いを控えているとは思えない元気さだ。しかも4人中、小鹿が一番デカい…。 

 交代した井上もノラリクラリとした動きからダーティーな攻撃で翔太を圧倒。細かい連係と合体攻撃で若者を攻める小鹿軍は、まるで「砂の女」のように、知らないうちに敵軍をプロレスの深い魔術の領域に引きずり込んでいた。

 最後は何と小鹿が、足4の字固めで46歳下の翔太からギブアップを奪取。誇らしげに再度、軍艦マーチに乗って引き揚げた小鹿は「天龍とはバチバチ戦ったから、今日は特別に燃えましたよ。これでベルト奪還に弾みがついた。このオイラが丸腰のままでは悲しい1年に終わってしまうからなあ」と、新潟プロレス12月26日新潟市東区プラザ大会の新潟プロレスタッグ王座奪回戦(パートナーはシマ重野、王者は河上隆一、菊田一美組)に向けて闘志を高め、王者としての越年を誓っていた。