目的は就職活動だった。“悪魔仮面”ケンドー・カシンが東京女子プロレスの甲田哲也代表(50)のもとに押しかけ、一方的に“非常勤コーチ”就任を宣言した。

 カシンは7日に東京ドームシティホールで行われた年間最大興行を視察。当初は不明だった真意がようやく明らかになった。どんなつてをたどったのか、甲田代表の前に出現すると「ミーが東京女子の『非常勤コーチ』になるのでアール」とわざとらしい欧米なまりの日本語で通告。「ミーがワールド基準の指導をすれば、東京女子はワールド標準になること間違いなし。ワールド女子、略して“WJ”になるのでアール」と意味不明なことを口走った。

 カシンは2016年4月に慶応大湘南藤沢キャンパスで非常勤講師となり、19年8月に米WWEの養成機関パフォーマンスセンターのコーチに日本人で初めて就任。今年4月に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてコーチは解雇となった。「非常勤コーチ」は失った2つの職に由来するようだ。

 だが冷静に考えても、突然現れた怪しいマスクマンから妙な役職に立候補されて、受け入れる代表などいない。甲田氏は「ありがたいですが、カシンさんギャラが高いですよね」と後ずさりする。それでも悪魔仮面はソーシャルディスタンスを守りつつ間を詰めて「指導がワールド基準なんだから、ギャラはワールド水準でアール」と返し、強引に「これからよろしくでアール」とヒジタッチであいさつした。

 その後、本紙の取材に「WJはゴールドエッグばかりだ。あとはミーが指導すれば武道館、キャピタル・レスリング・センター、東京ドーム、サンダードームと大きな会場を目指せるのでアール」と力説。東京女子も厄介な男に目をつけられたものだ…。