定時制高校での〝しくじり先生〟「人生はおでん」 大反響に俺自身も驚きました

2020年11月08日 10時00分

俺の失敗談は心に響いたのかな?(松陽高校提供)

【中西学の月刊野人通信(5)】東スポWeb読者の皆さん、いかがお過ごしですか。コロナもまだ収まってない中で寒くもなってきてるし、体調管理には十分に気をつけてほしいね。

 今回は9月に兵庫県の松陽高校定時制課程の生徒たちの前で講演会をさせてもらった話をさせてください。ヤフーのトップニュースにもなって俺自身も驚いたんやけど、いつもキワモノ的なことばっかりやってたのに、たまにまともなことをやったからみんなの心をくすぐったんかな…?

 俺ももう現役の選手ではないし、自分でも仕事を探さないとあかんから。知り合いとかいろんなとこ電話して「何かできへんか」って売り込んで実現したわけよ。

 以前は定時制の学校って昼間働いて夜勉強する場所ってイメージやったけど、今は社会情勢も複雑化してて、うまくコミュニケーションを取れない子とか、いじめに遭ってしまった子とか、通う理由も多様化してきてるんよな。軽はずみなことは言えへんなって思って、あえて台本は書かんと担当の先生とトークショーみたいな形でやったんや。質問に答える時間とかも取ってな。

 俺が話したことなんてただの失敗談だったり泣き言みたいな話ばっかりだったんだけど、アンケートの反応はすごく良かった。「逆境に負けず頑張ってきた姿がよく分かります」とか「失敗を繰り返しながら目指していく形ができたんですね」とか肯定的な意見が多かった。俺がプロレスで培ってきたものをいいように取ってもらえたね。

「必要とされる社会人となるために」ってテーマにしたのは、自分が生きる場所や、できるものを何か一つでも見つけてもらえたらなって思って。みんなが一緒のことをやる必要はないんやと。プロレスの世界でも全員がチャンピオンにはなれない。でも目指している目標がかなわなくても、すごく会場を盛り上げたり、やられっぷりがよかったり、試合そっちのけでやってることがめちゃくちゃ面白いとか。それもレスラーとしての個性になるやんか。

 しゃぶしゃぶとかすき焼きやったら主役は牛肉。でもおでんやったら主役は何かっていうよりも、人それぞれ好きなタネが違うやろ。社会ってそういう場所だと思ってるから。そのためには自分の個性、合っているものをしっかり分かって進んで行ってほしいのよ。俺はそれをプロレスを通じて学んだからね。

 今後も若い人にそういう話をしたい気持ちがあるし、企業なんかでもできたらいいなと思うよね。こういう活動もまだ走り始めたばかり。もしそういう依頼とかあったらできる限り受けたいし、東スポでもしっかり宣伝しといてくれよな! 仕事くれよ!

 ☆なかにし・まなぶ 1967年1月22日生まれ。京都市出身。92年バルセロナ五輪出場後の8月に新日本プロレスに入団し、同年10月にデビュー。99年にG1優勝、2009年にIWGPヘビー級王座を奪取するなどパワフルなファイトスタイルで活躍。東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」では敢闘賞(99年)と最優秀タッグ賞(10年)を受賞した。2月22日後楽園大会で引退。現役時は186センチ、120キロ。

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