新日本プロレス11日の大阪・ボディメーカーコロシアム大会でIWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカ(26)が後藤洋央紀(34)の挑戦を退けV8に成功した。“IWGP史上最大の番狂わせ”と言われた初戴冠から2年の間で、その地位はもはや不動のものとなった。今や親会社からも「生ける教材」と認められるオカダのV9戦は「NEW JAPAN CUP」(3月15日、後楽園で開幕)覇者との対戦が有力だ。

 柴田勝頼をセコンドに従えた荒武者との大阪決戦。オカダはリバース→正調式→雪崩式とフルパターンの牛殺しを浴びてピンチとなった。それでも後頭部へのドロップキックで一気に形勢逆転。最後はツームストーン式脳天杭打ちからのレインメーカーでレベルの違いを見せ付けた。

 試合後には柴田が挑戦表明したが、王者は「挑戦したけりゃNJC優勝してこい。顔を並べれば挑戦できるほど甘くないんだ」と一蹴。誰もが納得する理屈で場を収め、会場の大喝采を浴びた。

 2012年2月大阪大会で当時の絶対王者・棚橋弘至を撃破しての初戴冠から2年。この日の風景は当時とまるで別物だった。プロレス界のトップを走り続けてきたオカダの勝利を、番狂わせと見る者などもはや一人もいなかった。

 中学校卒業後にメキシコでプロレスラーとなり、常に結果を残してきた。揺るぎない信念を貫き通すオカダの生きざまは、今や親会社のブシロードからも「生きた教材」として認定を受けている。

 今年1月にはオカダの生き方に共感する同社の木谷高明社長に勧められ、会社説明会で大学生を相手に「目的を持って好きなことに打ち込んでください」との熱弁を振るった。学歴社会に異を唱えるかのようにオカダは「まさか自分が大学生に講釈をたれる日が来るとは…。ただ、ゆとり第一世代(オカダは87年生まれ)だろうが中卒だろうが、僕は早くから好きなことやって結果を残してきてるわけですから」と、改めて己の軌跡に胸を張った。

 もちろん今後もオカダがやるべきことは、信じた道を突き進み、レベルの違いを証明し続けるだけ。「プロレスの強さ、華やかさ、格好良さ、全て僕が見せますんで」と豪語するレインメーカーの快進撃はまだまだ続く。