藤田よ、オレたちの原点に戻ろう! 暴走王・小川直也(45)が、昨年の大みそか決戦(東京・両国国技館)で石井慧(27)に敗れてIGF王座転落以降、引退をにおわせる発言とともに姿を消した怨敵・藤田和之(43)に異例のエール。伝説の「世界格闘技連盟」復活を促した。またMMA路線へのシフトチェンジが噂されるIGFに対しても独特の見解を示した。

 戦場とするIGFは、誰が鬼で何が福かも分からないほど混沌とした状態が続いている。IGF王座はMMA戦士である石井の手に渡り、小川と抗争を続けてきた藤田は王座転落後「オレの役目は終わり。バトンは渡した」と引退をにおわせる言葉とともに姿を消した。そして石井をはじめ、青木真也や北岡悟の参戦とともに、IGFそのものがMMA路線にシフトするという噂も根強い。

 藤田の沈黙にイライラしつつも、小川はエール代わりにある提案を述べる。それはIGFの前身である猪木軍、UFO、さらにその原点である「世界格闘技連盟」の復活だ。

「試合後に藤田と石井に抱き合われたりしちゃ、オレの出番はねえよ。お前らスポーツマンにでもなったつもりか? バトンがどうのなんて知らねえよ。藤田には原点回帰が必要だ。そのためにも我々の原点である『連盟』を復活させる。IGFのMMA路線? 言った通りにならずデタラメなのがIGFだろうが。大体、旗揚げ戦のメーンだって、カート・アングルとブロック・レスナーの一騎打ちだったんだぞ」

 小川の言う連盟とは、17年前の小川デビュー時に総帥・猪木を中心に集った佐山聡、当時は新日本プロレスの若手選手だった石澤常光(ケンドー・カシン)、藤田らを指す。主な舞台は多摩川の河川敷。そこで練習を積み、雨が降れば雨天でヤリ特訓、雪が降れば雪ダルマにタックルなど、闘魂棒と大自然を生かした練習で小川はプロレスラーとしてのイロハを学んだ。当時、小川の技の実験台となっていたのが、骨太な大物新人・藤田だった。

 IGFに危機を感じる小川は、藤田との十数年ぶり合体も辞さない覚悟。小川のエールに藤田はどう応えるのだろうか。