“ミスター・パーフェクト”こと格闘家のアーネスト・ホースト(48)が、3月23日の格闘技イベント「ホーストカップ LEGEND~伝説降臨~」(愛知・名古屋国際会議場)で“現役復帰”を果たすことが本紙の取材で明らかになった。ホーストの復帰を皮切りに、引退したエメリヤーエンコ・ヒョードル氏(37)、ヒクソン・グレイシー(54)ら伝説の格闘家たちが集結する夢計画も浮上しており、冬の時代と呼ばれて久しい日本格闘界の復興を担うことになりそうだ。

 4度のK―1チャンピオンに輝いたホーストが引退した2006年から約8年。本紙は2年前にホーストが復帰する意思を持っていることを報じたが、いよいよそれが現実のものとなる。復活の舞台は、ホーストの名前を冠した格闘技イベント3・23「ホーストカップ」だ。

 同大会は“ムエタイの生ける伝説”セーンチャイ・PKムエタイジムらの参戦が決まり、格闘技ファンの熱視線を集めていたのだが、ここにホーストという大きな柱が加わることで、世間に大きなインパクトを与えることになりそうだ。

 ホーストの対戦相手は、地元名古屋を拠点に活動しているトーマス・スタンレー。アントニオ猪木率いるIGFにも参戦経験があるベテランファイターで、ホースト戦が引退マッチとなる。

 通常、ホーストほど実績を残したファイターが再びリングに上がる場合は、エキシビションマッチとなることが多いが、今回はキッチリと勝敗をつける「LEGENDルール」を採用。1R2分と通常より1分少ないが、もちろん正真正銘のガチンコだ。「ホースト自らが『もう一回戦いたい』と復帰を志願したそうです。引退後は基本的に地元のジムで練習を続けてきたホーストですが、試合に向けて有名なジムを回り、すでに16キロも体を絞り込みました。本気も本気ですよ」と格闘技関係者。

 ホーストの復帰は、この一戦だけにとどまらない。

 さらに「ホーストカップ」では、1Rの時間が短いため引退した格闘家も戦いやすい「LEGENDルール」で、かつて日本、いや世界の注目を浴びた格闘家を再集結させるつもりだというのだ。

「名前が挙がっているのは、レイ・セフォーやサム・グレコといったK―1ファイター。そしてヒョードルとヒクソンです。ホーストとヒョードルは過去に何度も一緒に練習しており、サウナにも一緒に入るほどの仲。ホーストはヒクソンとも仲が良く、最近も2人で柔術の練習を一緒にしたそうです。間違いなくこの2人には声を掛けることになるでしょう」と前出の関係者。

 すでにこの話に前向きな選手もいるとのことで、例えばヒクソンVSヒョードルなどの夢カードが実現する可能性も十分にある。現役バリバリの時は様々なしがらみがあって実現しなかったカードでも、一線を退いた今だからこそ実現するカードもあるのだ。

 今のところ外国人選手が中心となりそうだが、これが盛り上がれば日本人選手も黙ってはいないだろう。それこそ引退した魔裟斗や須藤元気氏、現役の山本“KID”徳郁らが参戦を希望しても不思議ではない。

 2000年代に格闘技ブームの中心にいた格闘家たちが集結し、再びムーブメントを巻き起こせるか――。ホーストがその“旗手”となり、引っ張っていくことになりそうだ。