回る回る横綱が日本全国を回る。全日本プロレスは15日、2月23日の沖縄大会(宜野湾市・沖縄コンベンションセンター)で3冠ヘビー級王者・曙(44)が潮﨑豪(31)と3度目の防衛戦を行うことを発表した。沖縄での3冠戦開催は史上初。曙はこの一戦を機に「南は沖縄から北は北海道まで」の言葉通り、日本全国津々浦々を巡る防衛ツアーを敢行する意向を表明した。

 今年4月で25周年を迎える3冠の歴史に、新たな重みが加わった。自らの強い希望により沖縄で初の3冠戦を実現させる曙は「故郷に一番近い場所で防衛戦をやりたかった。米軍に勤務するハワイの人も多い。感無量です」と姿勢を正した。

 曙は昨年10月に古巣・両国国技館で諏訪魔から王座を奪取し、11月には長野でジョー・ドーリングを退け初防衛に成功。V2戦(後楽園ホール=大森隆男戦)こそ東京だったがV3戦は沖縄に決定。曙は3冠戦の地方開催に強いこだわりを持つ。

 かつては日本武道館、最近は両国国技館が定番だった歴代王者とは違い“地方重視型”の王者を目指す。

「前から思っていたんですよ。どうしてタイトルマッチは東京でやらなきゃダメなのかなって。自分は地方のお客さんを大事にしたいし、日本各地で戦って、このベルトの価値を上げたい。沖縄でやるのは絶好の機会。ここから日本中で3冠戦をやりたいですよ」と曙。

 沖縄をスタート地点に福岡、広島、大阪、名古屋、仙台、青森、札幌…。まさに南は沖縄から北は北海道まで、全国を縦断する決意だ。

 47都道府県全てで防衛戦を実施すれば故ジャイアント馬場さんの日本記録(PWF王座V38)を大幅に塗り替えることになるが、V2時にも「相撲の巡業で回った場所で防衛戦をやりたい」とブチ上げた曙は本気も本気。

 これまでの3冠最南端(福岡)を軽く突破したのだから、最北端(札幌)も飛び越えて北海道は旭川、稚内などで防衛戦という案も出てくるだろう。

 そのためにも沖縄でつまずくわけにはいかない。13日の古河大会では潮﨑にフォールを奪われ、挑戦権を与えてしまった。「必ず出てくると思った。『これぞプロレス』という試合ができる相手。新しい3冠ベルトにかける気持ちは負けてない」とV3を誓った曙。沖縄から夢も新たに3冠道を突き進む。