<WRESTLE―1新春第1弾興行>WRESTLE―1(W―1)の新春第1弾興行が12日、東京・後楽園ホールで行われ、“孤高のサムライ”船木誠勝(44)が鬼教官となることを宣言した。W―1の象徴である武藤敬司(51)が第一線から退いたことを受け、船木は自ら最前線に立って後輩たちの壁になる。

 新年初戦は昨年から遺恨を引きずる帝王・髙山善廣(47)との一騎打ち。両雄がUWF、UWFインターで経験したロストポイントルール(持ち点3)で激突した。
 
 殺伐とした空気が張り詰める中、船木は足首固め、アキレス腱固めをロープエスケープさせてロストポイント2をつける。
 
 しかし、髙山も引き下がらない。船木はアキレス腱固めをロープに逃れた上、岩石落としを被弾して失点2。それでも船木は掌打の応酬に競り勝つと、強烈な右ハイキックでダウンを奪ってTKO勝ちを収めた。
 
 抗争に一応の終止符を打った船木は「ルーツは同じ。何かのキッカケでまた戦うのか、組むのか。リングの中は心地いい空間でした」とタッグ結成も示唆した。
 
 やるべきことは多い。船木は「武藤さんが休んでるから自分は休まない。フル参戦することが自分の役目。知名度もまだある方でしょうし、自分が所属する最後の団体だと思ってます。若い選手たちに船木誠勝を超えてもらって。そうしないと未来がない。超えさせませんけどね」と明言。
 
 すでに武藤は試合数を限定し、この日も参戦を見送った。となると、エースの座を争うKAI(30)や真田聖也(25)に胸を貸す相手がいなくなってしまう。そこで船木が絶対的な壁になると決断したわけだ。

「自分が若手の時は、ただひたすら頑張るしかなかった。でもそういう経験をした方が多少は楽なんですよ。彼らに後々『あの時頑張ってよかった』と思われるように。鬼教官? 自分のポジションはそういうものだと思ってます」

 団体底上げのため、武藤に代わって若手を徹底的に叩き潰す。