【2013年度東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞授賞式(9日)】外に出る。殊勲賞のノア・KENTA(32)が鎖国政策の解除を予告した。

 準MVPといえる同賞を獲得したが、今年の開幕戦となった1・5後楽園大会で森嶋猛に敗れ、GHCヘビー級王座から転落。丸腰で授賞式に出席したKENTAは「1年間ベルトを守ったことが評価されたんだけど、いざ授賞式ではお粗末な結果になって申し訳ない」と頭を下げた。

 2012年度の殊勲賞・森嶋は年頭決戦でKENTAに負け、GHC王座から転落。因縁の相手に、悪夢を再現された格好だ。

 ベルト奪還は使命だが、殊勲賞を縁起の悪いものにしないためにも昨年以上の活躍をしなければならない。

 KENTAは「ベルトを持っている時と違うことができる。持っていないからこそできること。他団体なのか、何なのかは分からないけど、いろんな部分で自由にいきたい」と他団体進出を示唆。これまでは外交をかたくなに拒み続けたが、無冠となったことを機に開国していく方針だ。

 となれば、井上亘に敗れた2002年8・29日本武道館大会以来、実に12年ぶりとなる新日本マット参戦も現実味を帯びてくる。

 もちろん、最大の役目はノアの活性化だ。「(新日本に)しっかり置いていかれないようにやることが大事」と対抗意識を燃やすKENTAは、マッチメークなどの内政にも積極的に口を出していく意向だ。

「うちはタイトルマッチ以外のカードが弱い。それを盛り上げていきたい。見てる人を飽きさせない」。ベルトを失っても、この男が方舟のかじを取り続ける。