【2013年度東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞授賞式(9日)】女子プロ界の敏腕スカウトになる。女子プロレス大賞に輝いた仙台女子プロレスの里村明衣子(34)は今年、スポーツ各界からの選手発掘に全力を注ぐ。

 念には念を入れてのプロレス大賞初授賞式だった。里村は「何かあったら困る」との理由で前夜に仙台から上京(新幹線往復2万160円)。授賞式会場のホテルに部屋を取って前夜の午後9時にチェックイン(税込み1万3500円)して、授賞式一番乗り記録を大幅に更新した。さらには和服でビシッと決めたため、会場近くの美容室での着付け代が1万8000円。受賞者中最大の出費(合計5万1660円)をかけて一世一代の舞台に臨んだ。

「壇上に立ってここまで高いところまで来たんだなあという実感が湧きました。19年もかかったんですね…」と感無量の表情を見せた里村だが、旗揚げ9年目を迎える仙台女子をさらなる高みに引き上げるつもりだ。「今年はスカウト活動に重点を置くつもりです。高校生を中心に他のスポーツの選手を発掘するため全国を回りたい。特にレスリングや女相撲ですね」と里村は目を輝かせた。

 上京した8日には、女子レスリング世界選手権44キロ級で5度の金メダルに輝いた吉村祥子氏と会食。レスリング界の現状についてあれこれ聞いたという。「今所属選手は4人。今年中には8人まで増やせれば。いい素材を見つけて大事に育てたい」と語った里村は、吉田沙保里ら女子レスリング金メダリストたちと丁寧にあいさつを交わしていた。

「レスラー19年目で初めての受賞。聞いたときは涙が出るほどうれしかった。マット界の男女の規模の差が広がっているのを実感している。新人育成から女子プロレスを改革し、2020年までには日本武道館でビッグマッチを開催したい」