【新日本プロレス・東京ドーム大会(4日)】

 グレイシー軍団迎撃のためタッグを結成した永田裕志(45)と桜庭和志(44)だったが、グレイシー軍の“反則攻撃”にとんだ不完全燃焼に終わった。

 ストロング・マシンの覆面をかぶって永田と桜庭は意気揚々と入場。一族郎党(?)を引き連れたグレイシートレインで入場するダニエル・グレイシー(41)とホーレス・グレイシー(35)の姿を見据えた。

 グレイシー軍はホーレスがスタンドの肩固めで桜庭を捕らえ、ダニエルがグレコローマン出身の永田を逆に胴タックルで押し倒すなど技術力を発揮したが、プロレス独特のタッグマッチの間に戸惑い、柔術技で相手を捕獲してもカットプレーの餌食になるばかり。

 業を煮やしたグレイシー軍は、コーナーに押さえつけてのヒザ蹴りなど合体攻撃に突破口を見いだすも後が続かない。桜庭がホーレスのマウントを奪ってモンゴリアンチョップを放ち、永田と2人がかりで太鼓の乱れ打ちをさく裂させる。さらにはダニエルが東京ドームの大観衆の前で永田に白目式腕固め→白目式逆十字固めを食らう屈辱。怒りのダニエルは奥の手で、柔術着の裾を使った首絞めで永田を“リアル白目失神”させて反則負けを喫した。

 興奮のグレイシー軍は「我々はルールなしで戦うためにやって来た。何で道着を使って首を絞めたら反則なの? サッパリ分からない」と強行にアピールを繰り返す。

 桜庭のビンタで蘇生し、ようやく黒目を取り戻した永田は怒りのあまり「次はオレが道着を着てやってやる!」とマイクで宣言したものの、観客の反応はいまひとつ…。バックステージに戻ると「さっきは場の空気…勢いで言わされたようなもの。道着なんか着たこともないし、あいつらのやったことはやっぱり反則だよ」と、これまた歯切れの悪いコメントに終始した。