ジャンボ鶴田と長州力が35年ぶりに激突している。とはいっても、リングではなく書籍でのことだが。

 鶴田氏の逝去から今年で20年。本紙対談企画「龍魂激論」では、2020年4月21日発行(4月22日付)から3日連続で、最大のライバルである天龍源一郎が、和田京平名誉レフェリー、直接指導を受けた秋山準と「鶴田最強説」を語り合った内容を掲載し話題になった。

 間髪入れず、今年の5月13日には、〝プロレス・ティーチャー〟こと元「週刊ゴング」の編集長・小佐野景浩氏がノンフィクションの著書「永遠の最強王者 ジャンボ鶴田」(ワニブックス、税込み1980円)を発売し、増刷を重ねている。鶴田氏と公私にわたりつながりがあり、選手たちからも信頼が厚い小佐野氏の著書が売れるのは必然なのかもしれない。結果、再び鶴田旋風が巻き起こり始めた。

 だが、ここで待ったをかけたのが〝革命戦士〟長州だ。自著「いまどうしてる?」(同、税込み1430円)を5月2日に発売し、出版界に殴り込みをかけた。長州といえば昨年、リングを去ったが、その後ツイッターを武器に時の人となる。「ところで源ちゃんいますか?」「間違いなくサンタマリアになるぞ…頼むぞ!」「Flowerの人たち」「井長州力」など、爆笑必至の〝必殺技〟を携えて、令和でも時代の寵児となっている。そんな意味不明?の内容に対して本人が感想をつづり、つぶやく際に何を考えているのかを公開したのがこの著書。本人は大真面目につぶやいているだけなのだが、見る者すべてに深読みをさせるのは、現役時代のマイクパフォーマンスそのものといえそうだ。

 そして鶴田と長州といえば、1985年11月4日の死闘が今でも伝説として語り継がれている。2人の最初にして最後となったシングルマッチは、60分時間切れ引き分けに終わったが、「鶴田氏が優勢」という声が大きかった。実際、長州自身も「あれは俺の負けですよ」と一部、メディアに語っている。だが、そのままで終わる革命戦士ではなかった。今度はマイクではなく、スマホを片手に鶴田氏との〝再戦〟に挑んでいる。

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