神取忍が警鐘「花さんの悲劇は無駄にしちゃいけない」

2020年05月27日 16時35分

神取も誹謗中傷に耐えてきたという

 フジテレビ系で放送されネットフリックスでも配信中の人気恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演し、23日に急死した女子プロレス「スターダム」所属の木村花さん(享年22)の悲劇に対し、元参議院議員で“ミスター女子プロレス”こと神取忍(55=LLPW―X)が緊急提言を放った。花さんはSNSなどで誹謗中傷を受けていたが、異常な事態が横行する現在に「日本を深刻な病がむしばんでいる」と警鐘を鳴らした。

「今回は被害者がたまたま女子プロレスラーだった。でも同じような危険性を日本人、いや世界中の誰もが背負ってる。会社、学校、ごく小さな生活地域…。知らないうちに自分の言動が膨れ上がってしまい、悪意が蔓延している状況にいきなり直面して、どれだけの人間が対応できる? 残酷な話だよね…」と神取は沈痛な表情を見せた。

 花さんとはほとんど面識はなかったが「お母さん(元女子プロレスラーの響子さん)がJWPに出ていた時に数回会った。あいさつがとてもしっかりした子という印象が残っている。だからこそ許せない…」と語る。

 神取自身も21歳のプロレスデビュー当時から心ない一部のファンから誹謗中傷を浴び続けてきた。1986年の入門会見では「ダンプ(松本)なんか10秒で倒せる」と豪語したため「道を歩いていて『死んじまえ!』って言われたことは何度もあった」(神取)と明かす。当時業界最大手の全日本女子プロレスは、テレビの平均視聴率が20%に達する人気団体。確かにいきなり不遜な態度で登場した神取に対する逆風はすさまじかった。

「(93年からの全女との)対抗戦時代はアンチLLPWのファンから事務所に『死ね』という内容の手紙が毎日200~300通は届いていた。ほとんどスルーしたけど。(2006年に)参議院議員になってからも聞こえるのは批判ばかり。しんどい時もあったけど『作為的な悪意をスルーする技術』も必要だなと痛感しました」

 SNSが異様なまでに発達した現代では、神取のように野性の生きざまを貫くことは困難だ。それでも「あえて見ない意志と忍耐力、マイナスの情報を遮断する、あるいは耐える決意とメンタルが各人に必要になってしまった。学校の先生ですらイジメの対象になるんだから。年頃の若者を預かる組織はそれなりの対応策と、指導のノウハウを急速に完成させるしかない。法的対策はもちろんだよね」と語った。

「体を徹底的に鍛え抜いたプロレスラーですら、乗り越えられない壁に直面してしまう時代。体も心も同時に鍛えるなんて誰にもできることじゃないって。日本は今、深刻な病に襲われている。花さんの悲劇は絶対に無駄にしちゃいけない」と神取は最後まで沈痛な面持ちで言葉を結んだ。