「ONE TEAM」で夢の続きを――。東京女子プロレスの山下実優(25)が、団体エースの責務を果たす。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月21日板橋大会を最後に観客を入れた興行の中止が続いているが、現状では最強決定トーナメント「東京プリンセスカップ」が23日に開幕予定。「こんな状況ですから、今はただ待つしかない。ファンの方との交流がこれほど恋しくなった時はなかった。一日でも早く再開したい」と切実な思いを口にする。2014年の第1回から6年連続出場を果たすも、優勝経験はゼロ。それだけにVへの思いは強い。

 外出自粛の状況下、自宅ではバランスボールを使った筋トレ、数時間ごとに小刻みに行うストレッチ、ルーツである空手の形を行い、食事は鍋料理を基本に肉体をキープ。25歳の乙女らしくK―POPグループ「TWICE」や、昔から好きだったハロプロの動画で心の隙間を埋める。

 また、団体では11月7日に東京ドームシティホール初進出が控えており、さらなる底上げが必要と感じている。「みんなには会えないけど、こういう時期だからこそ選手一人ひとりが前向きな意志を持ち、団体一丸となって再開の日に備えたい。開催が決まれば今年こそ優勝してベルトを取り戻したい。夢の続きを始めます」。ファンが集まるリングに立つ日まで静かに牙を研ぐ。