鮮烈デビューのダル弟に前田氏“石井慧を目指せ”

2013年09月09日 16時00分

裏拳を叩き込む翔(左)

 テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)の実弟・ダルビッシュ翔(24=リングネーム・Dark翔)が8日、格闘王・前田日明氏主宰の「THE OUTSIDER」大阪市中央体育館大会で本格的な格闘デビューを果たした。ベテランの出田源貴を相手に2Rドローの熱戦を展開。舞台裏はドタバタ続きだったが、前田氏は第一歩を踏み出した翔と北京五輪柔道金メダリスト・石井慧(26)との対戦を大目標に掲げた。

 

 メジャーのエースを兄にもつ逸材が、ついにベールを脱いだ。大きな注目を集めリングに降り立った翔は、開始のゴングが鳴るやヘビー級とは思えぬスピーディーな打撃を披露。鋭い踏み込みからの右ストレートや左フックを炸裂させ、非凡な才能を見せつけた。

 

 ところが2Rに洗礼が待っていた。パンチがことごとく空振りし始めると、ローキックを浴びダメージを負ってしまう。初の2Rでスタミナも切れたか、最後まで決め手を欠いたままタイムアップ。終盤に前半で稼いだポイントを失い0―0のドローに終わった。

 

 翔は「まだまだ自分が未熟と再確認できた。次にアウトサイダーに出るときはもっとちゃんとした試合をしたい」と殊勝に語ったが、格上相手に大健闘と言っていい。

 

 デビュー戦前の舞台裏はドタバタ続きだった。「12月(次回アウトサイダー大阪大会)は出れないです。両足が疲労骨折しかけてたんですよ。シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)です。試合が終わるまでは言わないでおこうと思ったけど…」。試合の2週間前に左ヒザ靱帯も損傷しており、まさに満身創痍だったのだ。

 

 さらに試合前は大会が約1時間という異例の長さの中断を挟むハプニングもあり、試合そのものが消滅する危機さえあった。ただでさえ経験が乏しい翔にとって、モチベーション維持は困難だったとみられる。

 

 そんな中で強豪相手のドロー。リングサイドで見守った前田氏も「正直勝てないと思ったけど、大したもん。プロのトップでやれる可能性がある」と翔の素質をあらためて確信した様子だ。

 

 さらに前田氏は、翔の将来の標的に石井の名前を挙げた。「やるのであればそこを目指してほしいよ。ただし(世界で戦うなら)石井というのも第一関門くらいのつもりでね」。実はそれこそが2008年の旗揚げ時から続く前田氏自身の悲願でもある。「俺の夢はアウトサイダー出身のやつが五輪金メダリストで総合に転向してきた選手をKOして『ざまあみろ』と言ってくれること」と公言してきた格闘王が、ついに夢を託す男が現れたと認めたのだ。

 

 負傷完治を最優先とし次戦は年明け以降が濃厚な翔は「兄に報告? 弟(俳優・KENTA)がしてるんじゃないですか? 特に何も言われてないですよ。とにかく、地に足をつけて今やれることを。もっともっと向上心を持ってやっていきたい」とさらなる精進を誓った。格闘界から兄同様世界へ羽ばたく日が来るのか、今後も目が離せない。