【W―1】最終戦は無観客 待ち受ける過酷現実

2020年04月02日 16時35分

武藤はいつも通りのファイトで稲葉大樹(手前)を追い込んだ

 無期限の活動休止に入るW―1勢に、厳しい現実が待ち受けている。所属選手たちは3月31日付で全選手がフリーになり、休止前最後の大会となった1日の後楽園大会に出場。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、“ラストマッチ”は無観客開催となった。

 3月31日まで社長を務めたカズ・ハヤシ(46)は「無観客とはいえ、できてよかった。ファンの安全を考えたら、映像として送れるし、自分たちが生きた証しを残せるんで」と、中止という最悪の事態を回避できたことには安堵の表情。だが選手たちの身の振り方については「それを考えると、もうねえ…。いろいろアイデアは浮かんでいるが、この騒ぎが落ち着かないとできない」と表情を曇らせた。自身の予定もコロナ禍で軒並み飛んでしまい、身動きが取れないという。

 また元会長の武藤敬司(57)は、活動休止とコロナショックが重なったことを「究極の谷底」と語る。「あとは自分を信じて、シャい上がっていくしかねえ」と若手選手たちにエールを送りつつも「でもイーブンだよ。若手は(ギャラが)安いけど、俺は高えから。俺も追い詰められてる」と危機感を募らせた。

 実際にある団体の幹部は「若くて実力のある選手なら他団体に移籍という話にもなるだろうが、ベテランは厳しいだろうね」と指摘する。武藤のような有名選手は海外も含めた各団体から引っ張りだこだが、多くのベテラン勢はフリーとして次なる戦いの場を探すことになる。まずはコロナ禍の終息が見えない限り、新たな展開が生まれることはなさそうだ。

 8人タッグ戦では存在感を見せつけた武藤とカズ。2人も若手選手と同じスタートラインに立ち、いばらの道を乗り越える覚悟だ。