【W―1】師匠からの闘魂注入で「やるぞ!」 武藤が5年ぶりのシングル王座戦線出陣も

2020年03月16日 16時35分

武藤は代名詞を河野(左)に叩き込んだ

 再びマット界の中心に返り咲けるか。プロレスリングマスターこと武藤敬司(57)が、5年ぶりのシングル王座戦線復帰を見据えた。会長を務めるW―1の活動休止に、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大と厳しい逆風にさらされるが、持ち前のプラス思考で追い風に転換。さらに後押しを受けたのは、師匠からの“魂の一発”だ。

 2013年に武藤が立ち上げたW―1は、4月1日の東京・後楽園ホール大会を最後に無期限の活動休止に入る。当初は代理人を務めるグレート・ムタに同行しての渡米予定と重なっていたため、大田区大会(15日)での6人タッグ戦がW―1最終戦となるはずだった。ところが河野真幸(39)を閃光魔術弾で沈めるや「実はアメリカがキャンセルになったんで、4月1日、隙間があれば出させてもらえないかなって」と気まずそうな表情で志願。新型コロナウイルスの影響で、活動休止前最後の試合に出られることになったのだ。

「フロリダのディズニー(ワールド)でも仕事があって楽しみだったんだけど、それもなくなって。ディズニー自体休園になってるから仕方ねえけど」。魔界の住人とディズニーキャラクターによる夢のコラボが実現する可能性もあったため、さすがの武藤も苦笑いするしかなかった。

 それでも、ピンチをチャンスに変えてしまうのがこの男の真骨頂だ。「W―1はなくなっちゃうけど、逆に今以上にいろいろ打って出ることはできるようになる。コロナで時間はできたし、ジムに人もいねえからしっかりトレーニングできる。毎日ルーティンを決めてその通りにじっくりとね。だから絶好調だよ」と胸を張る。

 それに伴い、W―1チャンピオンシップを15年3月に手放して以来となるシングル王座取りの意欲も高まっている。「タイミング次第だけど、久々にどこかの団体でシングル王座を狙うのもありだよな。そういうチャンスが来たら確実につかめる準備は整いつつある」。さらに故郷・山梨の歴史的英雄、武田信玄の言葉を引き合いに出し「まさに『風林火山』だよ。今は動かざること山のごとし。チャンスが来たら一気に行く」と言葉に力を込めた。

 師匠との再会にも闘志をかき立てられた。自身がプロデュースする2月28日の「プロレスリング・マスターズ」後楽園大会に来場したアントニオ猪木氏(77)から、久々の闘魂ビンタを食らった。「あれで一層やるぞ!っていう気持ちになったよ。ほんとに。それに猪木さんの『いつなんどき』っていうのもね。常在戦場だよ。いつでもチャンスがあれば戦えるようにしておくのが大事だって、改めて叩き込まれた」

 まだまだ歩みを止めるつもりはない。逆襲の炎を燃やす天才が、プロレス界のど真ん中を歩き出す。