諏訪魔が全日新社長候補に

2013年08月28日 11時30分

ランドスライドで激闘を制した諏訪魔

 新生・全日本プロレス初のビッグマッチ(25日、東京・大田区総合体育館)で開催された3冠ヘビー級選手権は、王者の諏訪魔(36)が35分を超える死闘の末に潮﨑豪(31)を破り、2度目の防衛に成功した。不動のエースとなった諏訪魔は、何と白石伸生社長(40)に代わる次期社長候補に浮上。名実ともに“諏訪魔・全日本”が誕生する――。

 

 まさに骨身を削る肉弾戦は、首の皮一枚で諏訪魔が競り勝った。

 

 PWF、インター、UNヘビーの3本のベルトは、この日の3冠戦を最後に故ジャイアント馬場さんの元へ返還される。新ベルトは10月27日の両国国技館大会でお披露目される予定で、この日が伝統のベルトを巻けるラストチャンスだ。

 

 諏訪魔は執拗な裸絞めで潮﨑を失神寸前に追い込んだが、剛腕チョップを軸に反撃を許す。さらにラリアートとゴーフラッシャーを被弾し、窮地に陥った。

 

 しかし、勝機は見逃さなかった。潮﨑が奥の手・リミットブレイクの体勢に入ったところで、諏訪魔は手首のクラッチをほどいて岩石落とし。さらには首折り弾から、必殺のラストライドで壮絶戦に終止符を打った。

 

 3冠誕生の会場(当時は大田区体育館)で歴史に新たな名前を刻んだ諏訪魔。秋山準との初防衛戦、ライバルの潮﨑を相手にV2を果たして名実ともに大黒柱となった。そしてさらに活躍の場が広がる可能性が浮上。社長職との兼業だ。

 

 現在の全日プロオーナー・白石社長は「団体が分裂して集客も選手も半分になったが、落ち着いた。僕の本業は企業再生。裏方に回って後方支援する。僕は今月で社長を辞めてバトンタッチ。全日LOVEが一番ある人を後任に」と8月いっぱいで辞任する意向を示したのだ。

 

 社長を退いても白石社長が筆頭株主であることは変わらない。そして次期社長候補に挙げたのが諏訪魔、渕正信取締役相談役(59)、井上博太取締役(44)の3人だった。白石社長は「諏訪魔君か渕さんか井上。バリバリのトップ選手がレスラー兼社長をやる場合、副社長が2人ぐらい必要。それか渕さん。選手は僕の言うことは聞かないけど、渕さんの言うことは全員聞く」と説明。また井上氏は白石社長の右腕で、選手たちからの信頼が厚い。

 

 社長候補に挙げられた諏訪魔は「まだまだリング上で戦うのが本分だと思う。経営の経験もないし、リングで名を残せたわけでもない」と慎重な姿勢をみせた。一方、渕は「俺は13年前の分裂の時も社長を断った。馬場さんは34歳で社長になった。諏訪魔と秋山がもっと責任感を持って諏訪魔が社長、秋山が副社長が理想」と背中を押した。

 

 白石社長は9月1日からの新人事で再スタートを切る方針。

 

 というのも、昨年11月に全日プロを買収した親会社で白石社長が創業した㈱スピードパートナーズ(SP社)が内部分裂。同社内で全日株を保有することに反発した幹部たちに、白石社長はSP社の全株式を売却すると決定。SP社の傘下企業だった全日プロやエステ、アパレルなど計5部門を自身の資産管理会社「レッドウォールジャパン」に移した。新たな親会社となった同社は、9月1日をもって仕切り直すことになったのだ。

 

 全日プロの新人事を決めるには残された時間は少ないが、諏訪魔社長が誕生するのか、注目される。