第46回東京スポーツ新聞社制定「2019年度プロレス大賞授賞式」(16日、東京・港区のグランドプリンスホテル高輪)で、最優秀選手賞(MVP)に選ばれた新日本プロレスのオカダ・カズチカ(32)と、レスリング特別表彰を受賞した東京五輪代表で金メダル候補の男子グレコローマン60キロ級・文田健一郎(24=ミキハウス)、女子57キロ級・川井梨紗子(25=ジャパンビバレッジ)の特別鼎談(ていだん)が実現だ。レインメーカー流の金メダル取り指南とともに、2020年をレスリングイヤーにすると誓い合った。

 ――オカダ選手はかねて東京五輪を意識した発言が多い

 オカダ:近くなるにつれてすごいイベントが日本であるなと思いますし、皆さん気合入るんだろうなと。聖火ランナーもありますし、2人にも火をつなげますから、ちゃんと。金メダル取ってもらって、プロレス見に来てもらいたいですね。

 文田:ぜひ行きたいです。高校のときからずっと見ていて、会場に行ったことはないんですけど。

 川井:私は15年くらい前、地元の石川県で新日本プロレスの大会があって、試合の前にジュニアのチームがリングの上で練習しようっていうのがあったんです。その時にプロレスのリングに上がったことがあるんです。

 オカダ:15年前! 僕より先輩ですね(笑い)

 文田:オカダ選手に相談というか…実は僕が試合で勝ったときのガッツポーズがすごく「ダサい」っていろんな人に言われてまして。レインメーカーポーズに匹敵するカッコいい決めポーズを教えてもらえないかなと。

 オカダ:僕も何回もやってるからそういう風に見られたんじゃないかな。初めてやったときは周りも「何やってんだよ」みたいな反応。だから逆にダサくていいんじゃないかな。そのダサさを定着させたら「見たい!」ってなるし、会場でもテレビでも「あのポーズが出た」ってなるんじゃないかな。そうなったら面白いんじゃないかなってレスラーとしては考えますね。

 文田:そうですね…極めます。ダサいのを(笑い)。突っ切ります。

 川井:1月4日(東京ドーム)の試合でも何万人とかすごい人数の前でするわけじゃないですか。プレッシャーとか緊張はないんですか?

 オカダ:全くないんですよね。ほどよい緊張感はあるんですけど、よく考えたら「そこで試合したかったじゃん」っていう考え方です。そのために頑張ってきたのに、そこでプレッシャーを背負っちゃおかしいかなと思うんです。そこを気負うことはないのかなって考えるようになってから、(大舞台は)平気になりましたね。

 川井:勉強になりますね。確かに言われてみたら、五輪に出たくてやってるのに、それがプレッシャーになって実力出せないってなったらもったいないなと思いますし。

 オカダ:僕たちは年間150試合くらいあるので、どこでも100を出せるようにしないといけない。東京ドームだからどこかが変わるということはないですね。

 川井:今の話、リオ五輪のとき(伊調)馨さんに同じようなことを言われてて。でもやっぱりトップに立つ人って、そうなんですね。

 オカダ:(ドヤ顔で)そうなんです(笑)

 文田:なるほどと思いました。その舞台で立ちたくてずっとやってきたから…。

 オカダ:今年はG1クライマックスの開催時期がズレて五輪後の開催になるんですが、負けないくらい盛り上げたいですし、五輪ロスどころじゃない、それを上回るG1ロスを生まないといけないと思いますね。

 文田:むちゃくちゃ楽しみです。

 川井:タイミングが合えば見に行きたいです。レスリングの会場は入場無料なのでこちらにもいらっしゃってください。

 オカダ:行きますよ、僕。東京ドームが終わってベルトもなくなっちゃったので、いろいろなものに触れて刺激を受けたいと思ってますので。

 川井:文田選手の試合はめっちゃ面白いですよ。派手だから。ルールが分からなくても見てて楽しいです。

 文田:投げが出るので、プロレスのような技も出る種目でもあるので、そこが自分がアピールできたらなと思ってます。

 オカダ:ラグビーもですけど、(大きな大会が)終わったあと(熱が)冷めないようにしたいじゃないですか。行くなら五輪終わったあとのほうが行きたいですね。同じレスリングとして、兄弟みたいなものですから盛り上がってほしいです。

 文田:大きく見てレスリング界というものを、ともにこれから盛り上げていきたいと思います。お互い頑張りましょう!

 川井:五輪が私たちの本番ですけど、そのあとにプロレスの大きな大会があるということで、いい流れでつなげたいです。レスリングでいい結果を残してプロレスにつなげられたらと思います。

 オカダ:うれしいですね。しっかり聖火運びます(笑)。今日はありがとうございました!