【リアルジャパン】野獣・藤田が謙虚になった

2019年11月23日 16時30分

藤田は木を使ったトレーニングに励んだ

 リアルジャパンプロレスのレジェンド王座を保持する藤田和之(49)が、謙虚な姿勢に転じた。船木誠勝(50)とのV1戦(12月5日、東京・後楽園ホール)を前に、持ち味でもあった雄々しさや挑発的な態度がすっかり消えうせているのだ。いったい野獣の身に何があったのか?

 まるで別人のようだった。船木とのタイトル戦に向けて藤田は「佐山先生(初代タイガーマスク)と船木選手の背中を見て格闘技の世界に入ってきましたから。同じ旗印の下で戦いを身につけ、魂を燃やし、強さを求めた同門の虎。シングルで戦うのは初めてで、身の引き締まる思いです」と殊勝な言葉を並べた。

 継続参戦するノアで、楽しそうに「泥船」呼ばわりしている男とはとても思えないほどの低姿勢だが、新日本プロレス出身の2人にとっての師匠にあたる“燃える闘魂”アントニオ猪木氏(76)の教えが根底にある。「『褒められている時が一番気をつけなきゃいけない』っていうのが猪木さんの言葉ですから」と明かす。

 今年、リアルジャパンではシングル王座を戴冠し、ノアでも新相棒の杉浦貴(49)とともに大暴れ。下半期のマット界をにぎわせてきた。健在ぶりを見せるにつれ、周囲から称賛の言葉をかけられることも多くなったという。船木からも「日本のプロレスで最強だと思う」との言葉を送られたからこそ「好事魔多し」を示す師の言葉をかみしめているのだ。

 慎重になる別の理由もある。IWGPヘビー級王座に限れば、これまで3度の戴冠を果たしたが、いずれも短命政権に終わった。2001年4月の初戴冠時は2度の防衛後にケガの影響で返上。2度目の戴冠となった04年はV1で終わり、3度目の戴冠時(05年)は一度も防衛できないまま陥落した。

 原因はベルトに固執しない自由さか、それとも単なる飽きっぽさか…。おそらくその両方なのだろうが「少ないと思われるかもしれませんが、自分としてはまず、3回の防衛を目指したい。一歩一歩着実にやっていかないと」と、初の長期政権樹立を狙う。最後に「次はノアのベルトもいくか?」と色気を見せた野獣が、年末に向けてさらに勢いを加速させる。