武藤新団体「WRESTLE―1」は“健全経営”

2013年07月11日 07時00分

 全日本プロレスを離脱した武藤敬司(50)が旗揚げする新団体名は「WRESTLE―1(以下、W―1)」に決まった。旗揚げ戦は9月8日の東京ドームシティホールが予定され「プロレスLOVE」を標榜(ひょうぼう)する武藤は、己の理想郷を求めて新境地を開拓する。


 11年間続いた「武藤・全日本」が6・30両国大会をもって終幕。5月末日に取締役会長を辞任して全日プロを離れた武藤に追随するように、船木誠勝(44)やカズ・ハヤシ(40)ら10選手以上が両国大会を最後に退団した。

 武藤は弁護士を通じ、全日プロの全株式を親会社の「スピードパートナーズ」から買い戻し交渉を続けたが、6月下旬に打ち切りを決断。新団体で全日プロを名乗れる可能性はなくなった。そこで注目されていたのが新団体名だった。武藤に近い関係者の話では、この日までに複数案が新団体名の候補に挙がっていたが、最終的に決まったのが「W―1」だった。

「W―1」は、2002年11月にK―1を運営していた石井和義館長と当時全日プロの社長だった武藤が合体。人気絶頂だったボブ・サップを目玉に据えて横浜アリーナで旗揚げし、地上波のフジテレビ系列で放映されるほど一大ブームを巻き起こした。選手の技と同時に電光掲示板に決めゼリフがテロップで流れるなど、演出面もエンタメ色全開のイベントだった。

 また、第2弾(03年1月、東京ドーム)ではK―1戦士のアーネスト・ホーストがプロレスルールに初挑戦。武藤もビル・ゴールドバーグと黄金タッグを組むなど、ファンにとっては垂ぜんのイベントとなった。

 その後、運営母体も変わり、団体の枠を越えた最強決定トーナメントも行われたが、2005年10月の大会を最後に活動休止に。姿や形は変わっても「W―1」は、試合直前まで何が起こるか想像もつかないハプニングの連続のイベントだった。その結果が、和泉元彌(39)ら有名人がプロレスに参戦した「ハッスル」の礎を築いたイベントとなった。まさに武藤が師匠のアントニオ猪木よろしく「一寸先はハプニング」を求める理想郷が「W―1」だったといえる。

 旗揚げ戦の会場となるTDCホールは、後楽園ホールに隣接する新たなるプロレスの聖地。「デカイところでバンバン興行を打つのは時代が違うでしょう」(前述の関係者)と、バクチ勝負をかけない“健全経営”になる見込みで、年内は2~3000人規模の会場で大会を開催するものと見られる。また旧W―1同様に往年のビッグネームを海外から招聘する可能性も十分。武藤体制下の全日マットではリック・フレアー、スコット・スタイナー、ダッドリー・ボーイズらが来日しており、新団体のマットを彩ることもありそうだ。

 天才・武藤にとっては新たな挑戦となる新団体旗揚げ。奇想天外な大仕掛けが施されたビッグマッチにも期待したい。