19日のリアルジャパンプロレス(RJ)東京・後楽園ホール大会で“野獣”藤田和之(48)が、本格再始動ののろしを上げた。圧倒的なパワーは健在でスーパー・タイガーを破り、レジェンド王座を奪取。約6年ぶりにベルトを腰に巻いた野獣には船木誠勝(50)が挑戦を表明したが、今後の行く先は――。

 試合開始から約1分間、王者S・タイガーとにらみ合った藤田は、素早い動きでヘッドロックで捕獲して優位に立った。相手の鋭い蹴りに苦しみ左ハイキックで倒れ込む場面もあったが、持ち前の頑丈さで復活。「この間、なんか体調悪いなーと思って病院で検査を受けたら『何一つ悪いところがないです。超のつく健康ですよ』って逆に褒められた」(藤田)という衰え知らずの肉体で攻め込み、最後はパワーボム、顔面蹴り、スリーパーホールドとつないで完勝した。

 2012年7月にジェロム・レ・バンナを破って獲得し、13年大みそかに陥落するまで保持したIGF王座以来となるベルトを手にした藤田は「みんな、ありがとう! 次の虎は誰だ!?」と絶叫。これに呼応したのが、直前のタッグマッチに勝利した船木だ。リング上で船木とにらみ合った野獣は「(相手として)申し分ないんじゃない?」。S・タイガーにも「すごいな。やっぱり虎だよ。どこのリングでも味わったことがない蹴りだ。すげーよ。うかうかしてらんないね」と珍しく最大級の賛辞を贈った。

 新レジェンド王者として今後もRJで暴れ回るが、一方で16日に初参戦し稲村愛輝(26)に圧勝したノアマットについては辛辣だ。「あれから何の音沙汰もないよ。誰も何も言ってこないから、終わりってことなんじゃねえの? “沈めるなら徹底的に沈めろ”って言われてもさ、泥船なんだからほっといても沈むだろ、あんなもん」と悪態をつきながら終戦を一方的に通告。さらに「お前ら、さっさと土に帰れ!」とノア勢にメッセージを送った。

 それでも台風15号の被害が甚大な千葉の房総半島に拠点を置く野獣は、戦うことで少しでも地元を勇気づけたい考えを持っている。「呼ばれりゃ、どこでも行きますよ。戦うことで少しでも…」と積極的にリングに上がり続ける考え。ベルトを巻いたことで、さらに活動が活発になりそうな野獣から目が離せない。