3月7日(日本時間同8日)に亡くなった“白覆面の魔王”ことザ・デストロイヤーさん(享年88=本名リチャード・ベイヤー)の追悼大会が本紙既報通り、11月15日に東京・大田区総合体育館で開催されることが29日、ザ・キャピトルホテル東急で正式発表された。「ジャイアント馬場没20年追善興行」(2月19日、両国国技館)を開催した株式会社H.J.T.Productionが主催する。

 この日の会見には大会主催者で故ジャイアント馬場さん(享年61)の夫人・元子さん(享年78)の又甥(またおい)に当たるHJT社の代表取締役・緒方公俊氏(32)、大会プロデューサーを務める全日本プロレスの和田京平名誉レフェリー(64)、ドラディションの藤波辰爾(65)、参戦を予定するドリー・ファンク・ジュニア(78)の日本代理人、大隅良雄氏(50)が出席した(大会プロデューサーの木原文人リングアナウンサーは所要のため欠席)。

 緒方氏が冒頭で開催を正式発表すると、日本プロレス時代に故人と初めて会ったという藤波は「子供のころにテレビで見たデストロイヤーさんと力道山先生の死闘が心に残る。最後にお会いしたのは、私が2015年にWWEの殿堂入りを果たした前後だったと思います。会えば直立不動になるようなオーラのある方だった。自分としても何らかの形でお力添えできればと思います。(選手としては)ベストな体調でリングに上がりたい」と大会の成功を熱望した。

 和田氏は「1973年に全日本プロレスに入った時に一番最初に出会った大物外国人選手がデストロイヤーさんだった。会場でマスクを一番最初に販売したのはデストロイヤーさんで、そのお手伝いをした思い出がある。よくスタッフを自宅に招いてバーベキューをごちそうしてくれた。馬場さんがお父さんなら、デストロイヤーさんは叔父さんのような存在でした」とエピソードを明かした。

 また来日できなかった長男のカート・ベイヤー氏(58)はビデオメッセージを寄せ「父と激闘を展開した力道山先生が眠る池上本門寺に近い、大田区総合体育館でメモリアルイベントを開催していただくことになり、心から感謝しております」と感無量の表情で話した。

 当日は元PWF会長のスタン・ハンセン氏(69)、徳光和夫アナウンサー(78)がゲスト参加。元PWF会長のドリーは代理人の大隅氏を通じて「デストロイヤーさんはよき戦友であり親友だった。メモリアルイベントには、可能であれば弟のテリーとのザ・ファンクスと(選手として)参戦したい。大田区でお会いしましょう」とメッセージを送った。ただしテリー・ファンク(75)の体調が優れないため、兄弟としての来日は現在調整中だ。

 さらに藤波は最前列のプレミアムシート(10万円)には、魔王が実際に試合で使用したマスクが付くことを知るや「僕も買おうかな?」と笑顔を見せた。

 大会概要について和田氏は「日本中が白黒テレビでプロレスを見ていた時代の分かりやすい、大人から子供までが楽しめる大会を目指します。たくさんのレスラーを呼びたい。7~8試合を考えている。どんどん名乗りを上げてほしい。プロレスって、ファンがその日の試合を語りながら帰るのが一番の楽しみ。それを目指したい。昔を思えば不思議ですが、この席に、全日本プロレスの和田京平と新日本プロレスの藤波さんが並んでいる。でもそれが現在のプロレスなんだと思います」と話した。

 今後、参加選手は随時発表されていく予定。2月の馬場さん興行に続く「昭和プロレスの一大イベント」となりそうだ。

 またデストロイヤーさんのライバルで盟友だった馬場さんの「ジャイアント馬場展」が8月1日から11日までさっぽろ東急で開催される。入場無料。1日は大仁田厚(61)が、3日には全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・宮原健斗(30)がトークショーを行う。1月に東急渋谷店で開催された同展示会は大人気となり、来場者は10日間で1万人を超えた。