【リングを彩る魅惑の女子ファイター】若い世代の台頭が目立つ女子プロレス界で、一躍中心に躍り出たのが「ディアナ」のSareee(23)だ。現在はWWWD世界シングル王座とセンダイガールズのワールド王座、シングル2冠王として君臨する。

 小学1年の時に井上京子、元気美佐恵(引退)の試合を見て、プロレスラーを志した。中3の夏に高校進学の道を断ち、京子のもとへ。リングネームは本名の「藤村沙里」と、京子の好きな音楽グループ「GReeeeN」からつけられた。「すごい気に入ってます。ずっと大切に使っていきたい」と語る。

 2011年4月17日、15歳でデビューした。相手はセンダイガールズの里村明衣子。45キロの体に容赦ないキックを受け、太もものアザは1か月消えなかった。だが「これがプロの世界なんだなって。絶対いつか倒したいって思いました」と反骨心が芽生えた。

 デビュー後、1年間は京子の方針で他団体への参戦が禁じられ、試合がない月もあった。「同時期にデビューした他団体の選手と差が開いていくのが分かるんです。当時はつらかった」と振り返るも「悔しい思いが成長させてくれた」と今では思えるようになった。

 キャリアを重ねていった17年2月に突然ディアナを退団。高橋奈七永のシードリングへ移籍したが、わずか8か月で出戻った。「見たことのない景色が見られるんじゃないかと思ったけど、自分の居場所はディアナだなって。でもその期間は無駄じゃなかった」

 目標として公言するのが東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞で女子プロ大賞を受賞すること。「周りに無理だって思われても、頑張れば夢はかなうということを証明したい。プロレスって生きざまだと思う。試合に全てが表れる。自分は人生をかけてプロレスをしてます」。さわやかな笑顔をはじけさせた業界のエース候補に期待だ。