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プロレスラー小橋建太「ラストマッチ」で奇跡の月面水爆


 鉄人・小橋建太(46)が11日、東京・日本武道館でラストマッチを行い、25年間のレスラー人生にピリオドを打った。詰め掛けた1万7000人超満員の観衆から特大の「小橋」コールを受け、魂のチョップ185発と奇跡の月面水爆で有終Vを飾り完全燃焼した。幾多の困難を乗り越え激闘を繰り広げた鉄人伝説を残し、小橋はリングを去った。

 

 鉄人最後の舞台は、故三沢光晴さんらと幾多の名勝負を生み出してきた日本武道館。小橋は秋山準、武藤敬司、佐々木健介と夢の共闘を果たし、歴代付け人のKENTA、潮崎豪、金丸義信、マイバッハ谷口組と対戦した。

 

 リングに立つのは両ヒザに重傷を負った2012年2月19日の「ALL TOGETHER」仙台大会以来、実に447日ぶり。レスラー生活の集大成を見せるべく聖地に帰ってきた小橋が「GRAND SWORD」で入場すると、17000人のファンから耳をつんざく大歓声が巻き起こった。腰には絶対王者時代の2代目GHCヘビー級ベルトが巻かれている。

 

 午後7時58分、運命のゴング。もっとも小橋にブランクの心配は不要だった。最初にKENTAと対峙した小橋は、何といきなりチョップを22連発。その後も付け人たちの胸板に思いをぶつけるかのように、チョップを打ち込んでいく。さらに25分過ぎにはKENTAにハーフネルソンスープレックス、マイバッハにはマシンガンチョップ86連発、金丸には雪崩式ブレーンバスターと、全盛時をほうふつとさせる動きで見るものの度肝を抜いた。

 

 クライマックスは35分過ぎだ。小橋のショートレンジ式ラリアートで意識もうろうの金丸に、武藤が月面水爆を発射。小橋が呼応するかのようにコーナーポストに上ると、場内のボルテージは最高潮だ。誰もがもう見られないと思っていた小橋のムーンサルトプレスが炸裂し、有終の3カウントを奪ってみせた。

 

 特大の「小橋」コールを受けた鉄人はリング上で「プロレスが好きで、応援してくれる皆さんがいて、プロレスを続ける力になった」とあいさつ。母・都さんと真由子夫人から祝福の花束を受け取った。また師匠の故ジャイアント馬場さん、三沢さんに対して「心の中で引退しますと、天国に届くように言いました」と、ラストマッチに秘めた思いも明かした。

 

 88年2月のデビューから約25年。全日本プロレスとノアで活躍しプロレス大賞MVPを2度、ベストバウトを8度獲得するなど数々の金字塔を打ち立てた。その一方で、激闘の代償で体は満身創痍となった。度重なるヒザの大手術を経験。さらに06年には腎臓がんが発覚し、レスラー生命最大の危機に立たされた。

 

 しかしそのたびに鉄人・小橋は、不屈の闘志で困難を乗り越えてきた。この日も完全燃焼するため、ファンにケジメをつけるために、リングに戻ってきたのだ。そしてその責任を全うした。

 

「プロレス人生、自分の青春でした。しかしまだ青春は続きます。自分自身で歩んできたプロレス人生に悔いはありません。プロレスで学んだ精神で、これからも頑張っていきます。小橋建太にかかわる全ての皆さんに感謝です。私は最高のプロレス人生を送ることができました」。最後の最後までプロレスを愛し、そして愛された鉄人・小橋。プロレスに人生を捧げたその姿は、ファンの記憶に永遠に刻まれる。

 

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