KENTA「1字違いの偉大な男」

2013年05月10日 14時00分

【連載6】5・11武道館 さらば鉄人 小橋建太

 たった1文字の違いで小橋という偉大な男と比較されてしまう運命を背負った男。ノアのGHCヘビー級王者・KENTA(32=本名・小林健太)だ。今回は小橋の対戦相手チームを代表して、KENTAが師匠に熱いメッセージを届けた。

 テレビで躍動するレスラーが自分の名前によく似ていた。野球少年はいつしかそのレスラーのファンになり、自分もレスラーを目指すようになった。それが今をときめく箱舟のカリスマだ。

 KENTA:名前が似ている人がいたから興味を持った。これがプロレス入りするキッカケでもあったし、影響は大きかった。もし僕の名前が山本だったら、ここまでのめり込んでなかった。

 本名でデビュー後、すぐに小橋の付け人になった。体格差は歴然としていたが、周囲はどうしてもKENTAを「小さい小橋」と見てしまい、重圧を感じたという。

 KENTA:練習生のころからそう見られることがあった。でも小橋さんは「お前はお前で小林健太というのを確立すればいいんだ」と言ってくれました。

 その後、小橋の進言で「KENTA」に改名。横文字ブームの先駆けとなったが、小橋はなんと「キャメル健太」というリングネームも候補に挙げていた。仮にそうなっていれば「名は体を表す」の言葉通り、今のKENTAは存在しなかっただろう。

 KENTA:顔がラクダに似てるからと…。でも、キャメルに自分の名前が入るのを小橋さんは嫌がったんだと思う。僕は気にしていなかったんだけど。もしキャメルだったら僕は違うレスラーになってましたよ(笑い)。

 デビュー前から今まで、ずっと鉄人の背中を見てきたKENTAにとって、武道館は最初で最後の恩返しの舞台となる。むろん、現役の王者として引き立て役に甘んじる気持ちはみじんもない。

 KENTA:感謝の気持ちを伝えるのは勝つしかないと思う。花を持たされることは本人が好まないでしょう。小橋建太が終わってもプロレス界にはKENTAがいる。それを見せないといけない。

 *明日は剛腕を受け継ぐ者、潮﨑豪の証言。