女子プロレス界のカリスマ・長与千種(54)率いる「マーベラス」の3周年記念大会が12日、神奈川・カルッツかわさきで開催され、メインでエースの彩羽匠(26)がシードリングの極道娘・世志琥(25)から初勝利を挙げた。

 団体の令和初の記念日にエースが躍動した。序盤はヒザヘの集中砲火に苦しむも、13分過ぎに強烈な右ストレートで形勢を五分に戻す。彩羽のハイキックと世志琥のハンマーが交錯した後は、激しい顔面の殴り合い。彩羽はソバット3連打から雪崩式パワーボムで追い込むが、世志琥はカッと目を見開きスリーパーで1分以上も絞め上げた。

 そして世志琥がこの日2度目のダイビングセントーン。彩羽は3発目を回避すると、回転式ハイキックから師匠譲りのランニングスリーで逆転の3カウントを奪った。

 対世志琥戦初勝利を挙げた彩羽は、これでシードリング29日の後楽園大会で高橋奈七永(40)のビヨンドザシーシングル王座への挑戦が決定。試合後は「自分は本気で女子プロレスを変えたい」と必勝を誓うと、長与をリングに呼び入れ「他団体ではなくマーベラスのリングに上がってください!」と要求。長与は「シードリングからベルトを持ってこいよ!」と応じ、長与55歳の誕生日となる12月8日の後楽園大会での対戦が急浮上した。

 彩羽は「自分が女子プロをV字回復させたい。長与さんには(存在感で)食われません。試合形式は…長与さんは『何でもいい』っておっしゃるでしょうからね。自分も何でもいいです。その日(12月8日)が(長与を)超える日になります」と断言した。

 一方の長与は愛弟子の堂々たる“挑戦表明”に余裕の笑みを浮かべつつ「よくぞ言ってくれた。一切手抜きはしないし、もし自分が食われたらその時が潮時かなと思う。食われないけどね(笑い)。こっちは全日本女子プロレスの叩き上げ。月に5~10試合の人間と、最高で年間310試合やった人間は違う。(彩羽が奈七永に勝ったら)タイトル戦になっても文句はないです。この試合は歴史に残る試合になるよ」とカリスマらしく目を輝かせた。