武藤「小橋の灰を拾いに行く」

2013年05月04日 14時00分

【連載2】5・11武道館 さらば鉄人 小橋建太

 鉄人・小橋建太の引退に際し、現役レスラーの中でも最もプライドが高いとされる武藤敬司が唯一「ライバル」と認めたのが小橋だった。

 武藤:その昔から言われてたからさ。俺もかつてオレンジのパンツをはいてムーンサルトプレスをやるってことで比べられたんだよ。でも、技の美学的なところとか元祖では負けてないと思ってたよ。

 世代も近く、コスチュームも似た小橋と武藤が空想の中で比較されるのも必然だった。1990年代の武藤たちは新日本プロレスで闘魂三銃士として、小橋ら四天王と呼ばれた全日プロには大きな壁があった。

 武藤:点が線になればいい。そう思ってた。実際、最後に小橋のパートナーってのは俺なんだから。この8人の中なら、俺は一番蚊帳の外なんだから、育ちの違う俺と線になったってのは、ある意味では運命なのかなって思うよ。

 とはいいながらも武藤は“千両役者”。試合の主役の座はどんなシチュエーションでもさらってしまう嗅覚にたけている。それでも今回ばかりは違う。

 武藤:俺はライバルである小橋を見ながら、小橋がムキになってくれればいいと思う。ここで「俺が、俺が」なんてしたらヒンシュクだ。分担で言ったら(10段階で)俺は0・5ぐらい。小橋は5。出しゃばりな健介が3ぐらいは動くだろうから、空気を読める秋山は1・5だな。

 小橋、武藤組といえば、2011年8月に開催された東日本大震災復興支援チャリティープロレス「ALL TOGETHER」で、お互いヒザに爆弾を抱えながら史上初の月面水爆の競演を実現した。

 武藤:再現ができるか分からない。シチュエーションによるしね。でも、俺がやったらヒザが壊れてダメになるかもしれないけど、小橋はずっと休める。でも俺が目立つつもりは本当にないよ。小橋に完全燃焼してもらい、小橋の灰を拾いに行くつもりで武道館に行くよ。

*次回は小橋を最もよく知る男・秋山準の証言。