“野獣”藤田和之(48)と“悪魔仮面”ケンドー・カシンが9日、千葉の外房にある藤田邸で怪気炎を上げた。6月20日のリアルジャパン(RJ)東京・後楽園ホール大会でタッグを結成し、スーパー・タイガー、船木誠勝(50)組と対戦。久々のリングに向け高らかに再スタートを宣言した2人は、本格的なRJ侵略とともにある“野望”を口にした。

「『はぐれIGFインター』の2人で決起集会をするから来てください」。悪魔仮面からこう連絡を受け、本紙が指定の時間に訪れた藤田邸は、まさかの“断捨離中”だった。廃品回収業者の大型トラックに家具、家電が積まれ、そこに藤田が黙々と荷物を運んでいる。その様子をカシンは「再スタートにあたり“断捨離”をしているそうです、ハイ」と説明。藤田は「手伝ったら割り引きするって、業者の人に言われたんです」と話した。

 さらにひと通りの廃品を運び終えた藤田は「なんか、久しぶりですね」。それもそのはずだ。最後にプロレスのリングに上がったのは昨年7月の大日本プロレス大阪大会。総合格闘技戦は同11月のチェ・ムベ戦が最後になる。

 ちなみにカシンも最後のリングは2月19日に行われた故ジャイアント馬場さんの「没20年追善興行」。今回のRJ参戦はともに久々の実戦なのだ。そこで心機一転、再スタートするというカシンは「出るからにはRJのベルトを総取りだ! ぶっ潰してやるから覚悟しておけ!」と非常に分かりやすい目標を掲げ、藤田も「やってやる!」と絵に描いたように拳を突き上げた。

 ただ、総取りといっても、RJにはスーパー・タイガーが保持するレジェンド王座しかない。そのことを指摘されるとカシンは「いや、タッグも、ジュニアも、ジュニアタッグも、インターコンチネンタルも、マグマも取りにいく。RJにはない? ないならつくれ」とむちゃくちゃだ。

 最後に「俺たちがIGFを復活させる。猪木さんの上がれるリングをつくらなきゃいけないんだ。そのためにもまずは道場。今度の試合に勝ったら、RJの道場を週に1回間借りして、IGF道場として使わせてもらいます」と宣言。一方的な要求を終えると「みんな、『はぐれ』がおいしくなくなったと思ったらポイ捨てだ。鈴木(秀樹)なんてよりによって杉浦軍に…」(カシン)、「これからの季節、草刈りが…」(藤田)などと愚痴と罵詈雑言を並べながら車に乗り込み、どこかへ去って行った。