大相撲の第60代横綱双羽黒で、プロレス、格闘界でも活躍した北尾光司氏が2月10日午前7時30分、慢性腎不全のため千葉県内の病院で死去していたことが29日、分かった。55歳だった。

 北尾氏はプロレス界でも問題発言や行動で、ファンの反感を買ったことも少なくなかった。新日本プロレス参戦時代には長州力と確執があり、新日マットを去った。またSWS時代にはジョン・テンタとの試合が成立せず、試合後に「八百長野郎」と言い放ったことで大騒動に。この一件がSWSを解雇される原因となった。さらに試合をキャンセルするなどのトラブルも相次いたが、天龍率いるWARに参戦したころからは徐々に“トラブルメーカー”の面を見せなくなった。リング上では四方に礼をして、試合後のコメントもそつなくこなした。

 1996年4月には総合格闘技に初挑戦。有利な体勢から相手の逆襲を受け、ヒジ打ちと踏みつけでめった打ちにされ、屈辱の1Rレフェリーストップ負けを喫した。ところが試合後は、冷静に取材に対応し「負けて覚える相撲かな…。これが第一歩。いい勉強になった」と振り返り、別人のような変身ぶりを見せていた。