【馬場追善興行】猪木劇的和解「ジャイアント馬場杯」創設へ

2019年02月21日 11時00分

オープニングに登場した猪木氏

“世界の16文”こと故ジャイアント馬場さん(享年61)の「没20年追善興行」が19日に東京・両国国技館で開催され、全60選手が出場し、大盛況のうちに幕を閉じた。終生のライバル・アントニオ猪木氏(76=参議院議員)も来場。両雄は馬場さんの没後20年目で「劇的和解」を果たした。馬場さんの冠を施した大会は今回が最後となるが、大会実行委員会は「ジャイアント馬場杯」の創設を検討。偉大な故人の名を後世に伝えたい考えを明かした。

 これは夢なのか。馬場さんの追善興行で「炎のファイター」が鳴り響いた。猪木氏はリング上にこそ立たなかったものの「元気ですか! 元気があれば何でもできる。馬場さん(が亡くなって)20年ですか…早いもので20年たつと忘れられてしまうんですが、今日はこのようにたくさんの人が駆けつけていただきありがとうございます」とあいさつ。恒例の「1、2、3、ダーッ!」で大会開始を宣言した。

 馬場さんの没後は葬儀や追悼イベントなど一切の公式行事に姿を見せなかった。長年に及んだ「冷戦」が終結し、史上最強のBI砲が“再結成”を果たした瞬間だった。

 バックステージに戻った猪木氏は「馬場さんも喜んでいるんじゃないかと。(若い選手には)いろんなことを言っても難しいので。政治の世界も同じですが、その時代その時代でね。歴史というか、そういうものに興味を持って、ひもといてもらって『あ、そういう歴史があって今日があるのか』ということが分かってくれたらいいと思います」と語った。

 劇的なスタートを切った大会後には全選手がリングに上がり、追善セレモニーが行われた。WWE幹部のジョン・ローリネイティス氏(56=ジョニー・エース)、リッキー・スティムボート(65)とリック・フレアー(69)の元NWA世界王者からのビデオメッセージが上映され、10カウントゴングが鳴らされた。

 リング上で馬場さんの遺影を前にした大会実行委員の坂口征二新日本プロレス相談役(77)は「皆さんの頑張りで素晴らしい大会になった。天国の馬場さんもお喜びだと思う。本当にありがとうございました」と大会を締めくくった。これで馬場さんをしのぶ大会はひとまずピリオドを打ったが、偉大な名前は永遠に残ることになりそうだ。

 大会実行委員で馬場さん夫人の元子さん(享年78)のめいである緒方理咲子氏(61)は「本当に素晴らしい大会になりました。心から感謝いたします。あとはジャイアント馬場という名前が、後々まで語り継いでいただけるようになれば幸いです」と感無量の表情で語った。そのためのプランも温められている。「ジャイアント馬場杯」の創設だ。関係者の話を総合すると、今回の収益金の一部でカップかトロフィー、あるいはフラッグを製作。ゆかりのある団体に預けて年に1回、馬場さんの命日(1月31日)か団体側が最善と判断した時期に開催を委ねる案だ。

 マット界にはかつて全日本プロレスと国際プロレスに鉄人ルー・テーズの名前を冠した「ルー・テーズ杯」が存在した。WWEでは祭典「レッスルマニア」で「アンドレ・ザ・ジャイアント・メモリアル・バトルロイヤル」が、一昨年からは女子トーナメント「メイ・ヤング・クラシック」がスタートしている。

 もちろん最有力候補は馬場さんが創設した全日本となるが、秋山準社長(49)は「かなり重要なことですからね。直接(緒方氏と)お話をさせていただいて検討したい。その上でしっかりと答えを出したいと思います」と慎重な口ぶりで語った。もし実現すれば、全日本にとっても新たな看板となるのは間違いない。

 没後20年にしてその影響力と偉大さを再認識させたメモリアル大会。馬場さんの名声は、新たな形で若い世代へと伝えられる。