新日本プロレス年間最大興行1月4日東京ドーム大会のIWGPヘビー級選手権は、挑戦者のG1クライマックス覇者・棚橋弘至(42)がケニー・オメガ(35)を撃破し、第67代王者に輝いた。

 度重なる故障に苦しみながら昨夏のG1で劇的復活を遂げ、3年ぶりに年間最大興行のメインに帰ってきた。戦前から激しいイデオロギー論争を繰り広げてきたケニーに対し、徹底したヒザ攻めを展開する。片翼の天使をリバースフランケンシュタイナーで切り返すと、ハイフライフロー2連発。なおも粘るケニーにカウント2で返され、雪崩式ドラゴンスープレックス、Vトリガーの反撃を許したが、再度の片翼の天使を今度はスリングブレイドで切り返す。最後はこん身のハイフライフローで圧殺し、39分13秒の激闘に終止符を打った。

 試合後のリングで棚橋は感極まった表情を浮かべ「正直言うと、もうこの舞台には帰ってこれないかと思ってました。柴田選手、本間選手、多くの仲間がエネルギーをくれました。そして何より、僕をここまで押し上げてくれたファンの皆さん、ありがとうございました。またこのIWGPのベルトと新しい風景をつくっていきます」と決意表明。代名詞のエアギターから「会場の皆さ〜ん! 愛してま〜す!」で大団円に導いた。

 新日本プロレスの東京ドーム初進出は平成元年の1989年4月。それから約30年にわたり激闘の歴史がつむがれてきた。平成最後の東京ドーム決戦は、かつての暗黒時代から団体を再興した平成の大エースが劇的勝利で締めくくった。