邪道・大仁田厚(61)が28日、通算7度目の現役復帰と同時にボランティアレスラーとしてのデビューを果たした。

 大仁田はプロレス団体「A―TEAM」の神奈川・鶴見青果市場大会に出場。昨年10月31日に7度目の引退をしてから、1年もたたないうちに現役復帰とは、さすがに葛藤もあった。それでもファイトマネー1000円の「ボランティアレスラー」という隠れみのまがいの肩書で、またまたリングに戻ってきてしまった。

 試合は、ストリートファイト・エニウェアフォール・電流爆破バット&有刺鉄線ボードデスマッチでケンドー・カシン、HASEGAWAと組んでキム・ドク、橋本友彦、雷電組と対戦。大仁田は雷電に机上のパイルドライバーを決めるなど、ブランクを感じさせない動きで大暴れ。最後はカシンが羽交い締めにした雷電を電流爆破バットで爆殺して大乱戦を制した。

 熱狂的なファンの大声援に迎えられた邪道は「おい! リングは最高じゃのう」と絶叫。「心の底から、お前らにありがとよ」と感謝の言葉を口にした。

 さらに大仁田は試合後、国内ではボランティアレスラーとして活動する一方で、海外ではプロレスラーとして引退していないと衝撃の新事実を明かした。来年1月には英国、来年4月5~7日には米国での試合オファーを受けているといい、これらの試合では正規のファイトマネーを受け取るという。

「だって治外法権だもん。大使館に逃げ込んだような男だよ。海外ではプロレスラー、国内ではボランティアレスラー」と、詭弁・開き直りの類にしか聞こえない主張を繰り出した。

 ともあれ金銭面度外視のボランティアで電流爆破のリングに上がり「無償の愛を感じた。なんかこう自分の中で本当に純粋に熱いモノを感じましたね。やっぱり純粋であるべきですよ、人間は」とアイデンティティーを再確認。来年2月19日に両国国技館で行われる「ジャイアント馬場没20年追善興行」にも出場希望を表明した。外貨は容赦なく稼ぎ、時には押し売りも辞さない厄介なボランティアレスラーが誕生してしまった…。