ブッチャー来年2月19日・馬場さん追善興行で引退“呪術師”最後のリングに

2018年10月19日 10時00分

全日プロ2012年1月シリーズに来日した際のブッチャー

“呪術師”の異名で一時代を築き上げた悪役レスラー、アブドーラ・ザ・ブッチャー(77)が17日(日本時間18日)、米国で本紙の取材に対し、日本での引退を熱望した。全日本プロレス2012年1月2日の後楽園大会を最後にリングから離れていたが、19日に正式発表された本紙既報の「ジャイアント馬場没20年追善興行」(来年2月19日、両国国技館)を「最後のリング」として指定した。

 呪術師が「最後の場所」を愛する日本に選んだ。現在、ジョージア州アトランタで穏やかな日々を過ごすブッチャーは「ミスター・ババのメモリアル大会があると聞いた。必ず出席したい。彼は最高のライバルであり最高のプロモーターだったから。その場を私にとっても最後のリングとしたい。私をサポートしてくれた日本のファンに最後の言葉を伝えたいんだ」と熱っぽく語った。

 1961年にデビューしたブッチャーは70年8月、日本プロレスに初来日。その後は全日プロを主戦場として故ジャイアント馬場さん(享年61)と一大抗争を展開。頭突き、地獄突き、毒針エルボー、フォーク攻撃を武器にトップヒールとなった。77年12月15日の世界オープンタッグ選手権最終戦(東京・蔵前国技館)では、フォークでテリー・ファンクの腕をメッタ刺しにする衝撃的なシーンで、一気に知名度を全国区に上げた。81年5月からは6年間、新日本プロレスにも参戦。2011年にはWWE殿堂入りも果たしている。

 最後の来日は全日プロ12年1月シリーズ。同2日後楽園大会で6人タッグ戦を予定していたが、リングに上がれる体調ではなく、出場を断念して年内での引退を表明。しかし、その後に来日の機会は訪れず、正式な引退セレモニー開催も暗礁に乗り上げていた。それから6年。追善興行が最後のチャンスになると考えての決断だった。

「プロレス界に入り57年、日本に初めて行ってから48年だぜ? そろそろシューズとフォークを置いてリタイアする時が来た。来年2月に日本へ行く。私の引退セレモニーの場を提供してほしい」とブッチャーは改めて引退を表明。「ミスター・ババとミセス・ババが健在ならこの申し入れを快諾してくれたと思う。思い出の国技館でミスター・ババを追悼して日本のファンに『サヨナラ』を告げたい」と切実な声で訴えた。大会の実行委員会はこの願いをどう聞くのか。実現すれば、涙また涙の呪術師フィナーレとなりそうだ。