やはりというか、予想通りというべきなのか。邪道・大仁田厚(60)が28日、通算7度目の現役復帰を表明し、プロレス団体「A―TEAM」10月28日の神奈川・鶴見青果市場大会に出場することが発表された。昨年10月31日の引退から1年を待たずしての復帰で、今後は「ボランティアレスラー」としてリングに上がる。だがネット上を中心に賛否どころか「否」の意見で大炎上。この状況に邪道は何を思うのか? 本紙の直撃に対し、返ってきた答えは――。

 ――復帰の経緯を

 大仁田:人生には七転び八起きっていうのがあるから。どう思われようと好きなことは好きなこと。1か月考えて、ボランティアなら許してもらえるんじゃないかなと。

 ――無報酬だからか

 大仁田:そうそう。ボランティアレスラーならいつでも辞められるじゃないですか。はっきり言って、僕の引退興行は今後ありません。

 ――収益にかかわらず取り分は1000円だけ

 大仁田:そう。ただし、プリペイドカードはやめてくれ(※2020年の東京五輪の大会ボランティアに1日1000円のプリペイドカードが支給されることを引き合いに出したもの)。

 ――別に仕事に困ってプロレス界に戻ってきたわけではないと

 大仁田:仕事に困ってたら1000円もらったって仕方ないじゃない。ありがたいことに仕事はある。佐賀で「大仁田屋」っていうのをつくりましたから。あまおうのジャムとか「俺の米」っていうのも作りました。外国人の人材派遣でラオスにも行ったりしてるし。

 ――7回目の今回も復帰への批判は免れない

 大仁田:そりゃもう。ただ自分の好きなことだから、好きな人生を歩みたいなと。

 ――昨年の引退から1年もたっていないが

 大仁田:99%が批判だからいいんじゃないですか。批判も受け止めるだけの年齢になってるし。3年なんぼか後に(佐賀・神埼)市長になった時に市長爆破をやって「何なんだ!」って言われるよりも。

 ――引退と復帰の繰り返しがもはや代名詞だ

 大仁田:ハッキリ言ってウソつきだから、俺(笑い)。復帰してるヤツらがたくさんいるのに、俺だけ言われるからさ。誰か有名人が復帰すると、すぐ俺の話題になるんだけど。まあ、一番目立つからいいのかな。

 ――引退ツアーにおカネを使うファンもいたので「詐欺」と言う人も出てくるのでは

 大仁田:その時はその時で本気だから。今回もボランティアレスラーとして本気だよ。誰も裏切ってない。確かに東スポさんからも引退で写真(パネル)をもらったりしてるのは申し訳ないって思ってますよ。けどボランティアですから。「ボランティアすんなよ」って言えないだろ?

 ――すごい抜け道を見つけましたね…

 大仁田:社会人レスラーはたくさんいるんだよ。だけどボランティアでレスラーやる人はいないじゃない。

 ――…。1年離れて、プロレス界や電流爆破の現状をどう見ていた

 大仁田:変わったよね。過激なものから。それは上がる人間のやり方だし、何とも思わない。ただ価値観ってものをちょっと高めてほしかったなっていうのはある。俺には俺の構想があるから。

 ――構想とは

 大仁田:来年の3月には(佐賀の)田舎にナイトマーケット作ろうと思っているし、そこで電流爆破をやろうと思っているし。ただプロレスラーとして復帰します、とは口が裂けても言えないじゃない。俺は夢を捨てないから。

 ――今後の夢は

 大仁田:やっぱり市長爆破でしょうね。その後、70歳まで体が動けば古希電流爆破ができれば最高かな。

 ――ボランティアレスラーとして伝えたいこと

 大仁田:やっぱり諦めないっていうことだったり、人生一回限りなんだから、自分の好きなことやれよって。10月28日、「ボランティアレスラー・大仁田厚」としてリングに上がりますよ。