いったい何があったのか。ゴールデンスター・飯伏幸太(36)が30日、唯一無二の盟友ケニー・オメガ(34)への不信感をあらわにした。新日本プロレス「G1クライマックス」におけるケニーの言動に原因があるようだが、今後の状況次第では名コンビ「ゴールデン☆ラヴァーズ」の先行きさえ不透明になった。

「今、疎外感を感じていて。ケニーと直接話してこようと思います。シカゴで言動の真意を聞いてきます」

 いつもはさわやかな好青年の飯伏が、何か思いつめたような表情だった。「疎外感」のきっかけは11日のG1で6年ぶりに実現したケニーとの一戦だった。

「僕はこのG1を一つの集大成として、今までの全てを凝縮したんです。それができた自負もある。その一環でケニー戦は大事な引き出しの一つ、雪崩式タイガードライバーで勝てた。でも試合後にケニーがコメントブースについてきて『新しいスターをつくりたいから勝ちを譲った』的なことを言ったんです。え?って。だったら自分が勝てばいいじゃないかって」

 ケニーは試合後に「今はコウタ・イブシの時代ですよ。変に聞こえるかもしれないけど、正直私もフルパワーで少し、負けたいという気がしました。負けたいというのは誰かに進化してほしくて、誰か私より強い相手に出てきてほしかった」とコメントした。

 慣れない日本語だったため細かいニュアンスが伝えられなかった可能性は否定できないが、飯伏が不快感を感じたのは事実だった。「ゴールデン☆ラヴァーズ」は2月23日後楽園大会で約3年4か月ぶりに復活したばかり。こんなに早く不協和音が生じるとは、誰も予想しなかっただろう。

 しかも飯伏は「神」とあがめた棚橋弘至(41)からの“卒業”を決めたばかり(本紙既報)。この一連の出来事を経て「結果、思ったのはどっち側とかどうでもいいと。飯伏幸太は飯伏幸太。おかげでこの結論にたどり着いたから、新しい自分をつくれる気もします」と覚悟を決めると、9月1日に米シカゴ・シアーズセンターで行われるプロレス興行「オールイン」に出場するため渡米した。ケニーとの“シカゴ会談”の行方がゴールデンスターの今後を占うことになりそうだ。